地域の人々の困りごとに応える いつもそばにいる弁護士として気軽に頼ってもらえる存在でありたい
問題が起こってから出会うのではなく、同じ地元民としてお付き合いを始める
ーー弁護士会の委員会のほか、地元の商工会議所の青年部にも会員として参加されているそうですね。
はい。商工会議所を通じて、同世代の中小企業の経営者や個人事業主の方々とつながりができたのですが、彼らと話すなかで、顧問弁護士を頼んでいない方も少なからずいることがわかりました。
何か相談したいと思ったときに気軽に話を聞ける弁護士が身近にいないため、もめごとが起こってから弁護士を探すことになります。「こういうことは弁護士に聞くべきことなのか」と、相談することに心理的ハードルを感じる方も多いと知りました。
そこで、私が、彼らにとっての身近な弁護士として存在できればと思ったんです。そうすれば、もめごとが起こる前に「ちょっと気になることがあるんだけど」と相談してもらえます。
気軽な相談をきっかけとして、「トラブル防止のためには、早めに弁護士に相談したほうがいいんだ」と気づいてもらえたり、たとえば、契約でもめごとが起こることを防ぐために、契約書を作る段階から「この内容で問題ないか」と弁護士に見せておく方がいいとわかってもらえたりします。
気軽な相談から信頼関係を築く
ーーそうした気軽な相談が正式な依頼につながるのですか。
必ずしも依頼につながらなくてもいいと思っています。ちょっとした相談でも親身になって聞くことで「何かあれば市ノ木山が力になってくれる」と思っていただきたい。気軽な相談は、信頼関係を築く第一歩になると考えています。
小さな相談がきっかけで大きな問題を防ぐことができれば、それがベストです。
実際に、気軽な相談から依頼が発生することもよくありますし、まだ私は若手ですので、どんなことも経験と思って、依頼につながるかどうかにかかわらず全力を尽くして対応しています。
伴走者としての適切な距離感を大切にする
ーー信頼関係は日ごろの人間関係から生まれる、ということですね。
まさにその通りです。依頼者の中には、地元の方や、その紹介で私のもとを訪ねて来る方も多くおられます。そのような方は、依頼が発生する前の、日ごろのお付き合いの中で、私という人間や仕事に対する姿勢を知っています。そのうえで頼りにしてくださるのだということを、肝に銘じています。
特に経営者の方は、人には言えない苦労や不安を抱えていることも多いです。そうしたことも弁護士になら言える。ちょっとした不安を引き受ける役割も、弁護士として大事な経験だと考えています。
弁護士には何でも言える、というのは理想ですが、依頼者であっても私に言い出しにくいことがあるという場合もあると思います。
日ごろの信頼関係があっても言いたくないならよっぽどのことですので、案件を進めるうえで知るべき内容だとしても、無理に聞き出したりはしたくないと思っています。
言わないことでどんなリスクがあるかをしっかり説明した上で、どうしたいかは依頼者の判断にゆだねます。
依頼者となあなあの関係になることなく、その方のためになるならば言いづらいこともお伝えするようにしています。依頼者が本当に望む解決にたどり着けるよう、伴走者として適切な態度や距離を保つことを常に心がけています。
相手方との人間関係も大事にして、しこりを残さない解決を
ーー依頼者といい関係を築くうえでは、それぞれの人に合ったコミュニケーションの取り方が必要ですよね。
どう言えば相手にちゃんと伝わるのかは、常に悩みどころです。事務所の先輩に相談することもありますが、相手方の代理人である弁護士から学ぶことも多々あります。
たとえば、相手方から来た書面を見て自分が「なるほど」と思ったり、逆にムッとしたりすることで、「こういう言葉を使うと相手はこう思うな」と学べます。また、相手方の交渉術から、自分が取り入れるべきポイントを見出せることもあります。
どんなところにも学びがあり、それを吸収すれば依頼者の役に立ちます。
問題を解決するうえで大切なのは、依頼者の今後の人生にしこりを残さないこと。そのためにも、依頼者とのコミュニケーションだけでなく、相手方とのコミュニケーションも大事にして、お互いにとって納得のいく解決を目指したいと考えています。