樋川 和広 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
私はもともと、検察官の志望でした。司法試験を受験しようと思ったのは、中学生の時です。当時、地下鉄サリン事件など大きな刑事事件がいくつか起こり、そのような事件を目の当たりにし、何故、人は犯罪をしてしまうのか、興味をもったことがきっかけでした。
弁護士に志望を変えたのは、司法試験合格後、長野で実務修習を行っていたときでした。その縁もあり、出身は東京なのですが、長野で就職しました。
志望を変更した理由ですが、弁護修習中に指導担当の先生が依頼者の方の悩みを整理し、アドバイスをする過程を通じ、依頼者の方が心の重荷が取れたような様子で安心して帰られる様子を目にし、困った方の助けになるという実感を直に得られる仕事なのだなと、思ったことがきっかけです。
また、長野のような地方都市では、日常的に様々な事件を扱いますので、事件を通じて社会の仕組みや成り立ちを幅広く勉強できることにも、大変魅力を感じました。
今までの経験と現在の仕事内容
現在の事務所は、交通事故と行政事件の件数が多いです。とはいえ、企業の一般民事事件、離婚事件、刑事事件、少年事件、子どもの権利に関する事件など、なんでも幅広く扱っています。ただし、事務所の特徴として扱う事件の8割くらいは被告事件です。
ジャンルが偏らない様々な事件を担当し、経験できることが、地方都市で弁護士をやる最大の特徴であり魅力だと思います。
行政事件を多く担当させていただけることは、扱う事件の幅も広いので、そういった意味でとても勉強になっています。
弁護士としての信条・ポリシー
必ずしも訴訟によらず、柔軟に依頼者が最も安心できる解決方法を考えることです。訴訟に至らず、示談などで解決できることも多いのです。また、依頼者のみでなく、相手方となる方々にも、礼を失せずに接するよう心がけています。
弁護士はともすると態度が偉くなってしまいがちな職業であると自覚していますので、謙虚であることを意識しています。
関心のある分野
事案としては少年事件に最もやりがいを感じています。少年事件では未成年者と向き合う訳ですが、彼らの可塑性というのは本当で、会って1か月のうちに目に見えて反省や心持ちが変わっていきますので、そういったことを実感できるのが少年事件の魅力です。
また、会務活動になってしまいますが、いまは「法教育」の活動に力を入れています。「法教育」とは、法曹希望者に対する法学教育ではなくて、小学生や中学生といった児童生徒を対象に、個人の尊重、自由、正義、公平といった立憲主義的理念を身につけさせること、を目標にする教育です。
ちょっと言葉では説明し難いのですが、例えば、小学校で、クラスのルールを作ってみる授業をしたり、物の分け方から公平について考える授業を行ったり、そういう活動をしています。また中学校では刑事手続や裁判員裁判を題材に多少難しいことも扱いますが、常に分かりやすさを意識して行っています。
普段は子どもと接する機会のあまりない仕事ですので、子どもたちの素直な感性や笑顔に接すると、本当に癒されます。