離婚問題に注力、デジタルツールを駆使して依頼者の不安に迅速に対応
離婚後の生活再建までも見据えたアドバイスを
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
漠然とした理由ですが、弁護士という職業に対して「かっこいい」「難しい試験に合格しなければなれない」というイメージを持っていて、中学生のころから憧れていました。
法律を学ぶことの楽しさに目覚めたのは、大学を卒業してロースクールに入学してからです。社会で起きるトラブルを解決するための実践的なツールであることや、理論立てて結論を導く過程の面白さに惹かれました。
そのころから、弁護士になるための具体的なビジョンを描くようにもなりました。
ーーどのような学生時代でしたか?
大学時代は友人とロックバンドを組んでいて、ライブハウスで演奏をしたり、オリジナル曲を作曲したり、バンド活動に夢中になっていました。法律について真剣に取り組むようになったのは、ロースクールに進学してからです。
大学は東京でしたが、仙台のロースクールに進学しました。仙台には縁もゆかりもなかったのに、ロースクール生として過ごすうちにすっかり好きになって、弁護士になってからも仙台に事務所を設立して活動しています。
ーー注力分野と注力している理由について教えてください。
離婚分野に注力しています。弁護士になってから一貫して多くの事件を扱い、研究を深めています。
離婚のトラブルを抱えた依頼者には、法律的な結論をあてはめるだけでは不十分だと考えています。離婚後の生活の立て直しや、社会保障の制度の使い方についてもサポートしています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
地方議会の議員に対する出席停止処分が裁判の対象になるのかという点が最高裁の大法廷まで争われた裁判に、弁護団の一員として関わったことです。60年ぶりの判例変更を実現できたので、とても感慨深く印象に残っています。
もともとは、出席停止処分の取り消しや処分によって減った報酬の支払いを求めた裁判でした。私は市民オンブズマンとして国や地方公共団体などに関わる不正、不当な行為を監視、是正する活動をしていました。そこに原告となった議員が相談に訪れたことがきっかけで弁護団が結成され、裁判を起こしました。
しかし、この処分を争えるのかどうかという前提に大きな壁がありました。「議会の出席停止処分は裁判で争うことができない」という最高裁の判決があったからです。この判例がある限り、裁判を起こしても門前払いされる可能性が高い。そこで、我々弁護団は判例自体がおかしいと争う方針を立てました。懸命に主張したことが認められて、めったに起こらない判例変更を実現できたことは本当にうれしかったです。
身近なところでは、離婚でも印象に残っている事件があります。離婚から2年過ぎたタイミングで元妻から突然財産分与を求められた男性からの依頼でした。元妻が提出した証拠の不審な点などを指摘して、最終的には財産分与はしなくてよいという判断を勝ち取ることができました。依頼者からとても感謝してもらえたこともあり、印象に残っています。
「既婚者と知らなかった」と主張する不倫相手への反論は?
ーープロフィールページで不倫の慰謝料についての解決事例を紹介していますが、不倫に関する相談は多いのでしょうか。
不倫をした側・された側、どちらからの相談も多いです。「配偶者には慰謝料を請求しないけど、不倫相手には請求したい」という相談も目立ちます。夫婦関係はやり直したいけれど、不倫相手は許せないというパターンですね。
不倫相手は、「相手を既婚者だと知らなかった」と主張して慰謝料の支払いを拒むこともあります。そうした場合は、依頼者があらかじめ保存しておいた、配偶者のLINEのやりとりなどの証拠から、「相手が既婚者だと知っていた、少なくとも知らなかったことに過失があった」と反論して不倫相手の主張を崩していきます。
不倫問題が解決すると、依頼者の表情や印象が相談に来たときより目に見えて明るく変わります。そうした姿を見ると、こちらもうれしくてやりがいを感じます。
ーー仕事をするときに心がけていることは何でしょうか?
法律に関する質問にただ答えるというだけではなく、それ以外の不安もできるだけ解消することを心がけています。例えば、LINEやメールなどいろいろなツールを使って、何か気になったらすぐに質問してもらえるような環境を整えています。
「問題を抱え込まずに、まず相談を」
ーー休日はどのように過ごしていますか?
3匹飼っている猫をかわいがって過ごしています。親とはぐれたり、首に紐が巻きついて取れなくなっていたりしていたところを保護された猫を引き取りました。
また、もともと部活で野球をしていたので、弁護士会の野球部で野球を楽しんでいます。ポジションは外野とピッチャーですが、ピッチャーとしてはそろそろ戦力外になりそうです(笑)。弁護士会では、年に一度野球の全国大会が開かれるんです。大会に向けて、今後も練習に励みたいです。
ーーその他何か趣味はありますか。
読書です。特にアメリカ文学が好きで、最近はドナ・タートという女性作家に注目しています。新しく好きな作家に出会えるとうれしいですね。
ーー今後の展望について教えてください。
地域的・場所的な制約をできるだけ取り払って様々な地域の方の相談も受けていきたいです。裁判所の手続きもオンライン化の流れにあります。弁護士と依頼者の距離が物理的に離れていても対応できることが増えてくると思うので、積極的に取り組んでいきたいです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
ひとりでトラブルを抱えている状況は、コンパスを持たずに下山しようとしているようなものです。まずは弁護士に相談してください。一緒に山を降りていきましょう。