離婚・相続などの家庭内トラブルやペット問題に注力 事務所一丸となって依頼者に寄り添い、悩みを解決
同じ動物を愛する者として、ペット問題に取り組む
ーー弁護士を目指した理由やきっかけを教えてください。
女性が仕事をしていく上で専門的な資格を取ったほうがいいと思ったときに、漠然と、法律家の仕事がかっこいいと思ったんです。法律の世界では、必ずしも強い人が勝つのではなく正義が勝つところにも魅力を感じました。
ーーどんな学生生活でしたか。
勉強とアルバイトに励んでいました。酒屋さんや生協のお惣菜売り場など、いろいろな仕事を経験しました。司法試験の勉強を本格的に始めたのは大学3年生の頃です。夜間のコールセンターでアルバイトして、電話が鳴らない間は自分の席で勉強していました。
ーー注力分野を教えてください。
相談が多いのは、相続や離婚といった家事事件です。件数は多くないのですが、ペット関係の相談にも対応しています。
実は弁護士を目指す前は獣医になりたいと思っていたくらい、動物が好きなんです。今も犬を飼っています。ペット関係の相談を受けている事務所は、それほど多くありません。「他の事務所では断られてしまって…」「どうしても裁判をしたいけど、弁護士が見つからない」と相談されると、つい感情移入してしまいます。断りきれずに受けているなかで、少しずつ経験を積んできました。
ーー家事問題を扱う上で心がけていることを教えてください。
家庭内の問題を抱えている方は精神的なダメージを受けていることが多いので、精神面をケアしながら対応することを心がけています。依頼者の気持ちを落ち着かせるために、打ち合わせには時間をかけ、まずは本人の話を一通り聞くことに徹します。
依頼者によっては、「慰謝料500万円はほしい」「子どもの面会交流には一切応じたくない」など、法的には難しいことを希望される場合もありますが、頭ごなしに否定しないように気をつけています。「気持ちとしては確かにそう思いますよね」と心情を汲み、その上で、「ただ、こういう理由があって法律的には難しいかもしれないです」とお伝えすることを心がけています。
必ずしも希望通りにはならないことを本人が納得できないと、今後の法的手続きに向けたスタートが切れません。受け入れていただけるまで、時間をかけて丁寧に説明しています。
ーーペット関係では、どのような相談を受けていますか。
相談の多くは、「獣医の医療ミスでペットが死んでしまった」など医療過誤の相談です。それ以外には、たとえば、ペットショップで動物を購入したところ、後から病気にかかっていたことがわかったので損害賠償請求をしたいという相談や、ペットが人を噛んでケガをさせたという相談、野良猫が虐待されているのを見た方からの相談も寄せられます。
ーーペット関係を扱う難しさは何でしょうか。
たとえば医療過誤事件では、人間のカルテと違い、ペットのカルテは非常に雑に書かれています。情報量が少ないところからのスタートになり、立証が難しいケースが多いです。調査を尽くして賠償金を得られたとしても金額はせいぜい20〜30万円。経済的には、依頼者にとっても弁護士にとっても割が合わないので、法律的な解決につなげにくいことが一番難しい点です。泣き寝入りしてしまう方も少なくありません。
ただ、依頼者にとってペットは家族の一員です。依頼者の被害感情が強いケースや、動物が本当にひどい目に遭って死んでしまったケースもあります。そういう事件に対しては、同じ動物好きの人間として、「許せない」と強く思います。
1つ1つの事件は小さくても、裁判例が積み重なることで、少しずつ動物の権利が認知されたり、動物を取り扱う業界での意識が高まっていったりすると思います。今後も手がけていきたい分野です。
依頼者のリクエストにフットワーク軽く対応
ーー弁護士としての強みはどのような部分だと考えていますか。
依頼者に寄り添って対応するようにしているので、「自分の気持ちをわかってもらえた」という満足感は持っていただけているのかなと思います。
あとは、フットワークの軽さでしょうか。たとえば、離婚成立後に依頼者から「もとの家に私物を引き取りに行くので付き添ってください」と言われたら、時間が許す限りリクエストにお応えしています。あちこち動き回るのは全然苦にならないですね。
弁護士によっては、そういう対応をするときに料金を気にする人もいますが、私はあまり考えずに対応するほうだと思います。依頼者の中には、DVから逃げてきた方やシングルマザーといった事情を抱えて、経済的に苦しい方もいるため、そういった方のお金の負担を軽減したい思いもあります。「弁護士に頼むとお金がかかる」というイメージがあると、言いたいことが言えない、頼みたいことが頼めない…という状態になってしまうので。
事務所としての強みは、依頼者に対する細やかな対応です。事務のスタッフが2名いて、私が外出している間に依頼者から電話がかかってきた場合は彼女たちが時間をかけて聞き取りをしてくれたりと、細かいところに気づいて対応してくれます。事務スタッフを含めて、依頼者に寄り添う対応していることは、事務所としてアピールできる部分だと思います。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象的なエピソードはありますか。
弁護士1年目のことです。「離婚をしたいけれど相手から拒否されている。どうすれば離婚できるか」と相談を受けたのですが、明らかに客観的な離婚原因がなかったんです。当時はまだ司法試験の延長線でしか物事を考えられず、「離婚原因がなくて相手と合意できなければ、裁判を起こしても相談者が望む結果は得られない」と考えて、受任を断ってしまったことがありました。
今振り返ると、離婚調停を起こして、相手方と時間をかけて話合いを重ねれば、最終的に相談者が納得する結果を得られたかもしれません。もう少し柔軟な対応ができていれば…と、いまだに申し訳なく思う案件です。
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
子どもがまだ小さいので、家や公園で遊んだり、一緒に買い物に出かけたりして過ごしています。
コロナが落ち着いたら、子どもたちをディズニーランドに連れて行きたいです。実はコロナ前に、遊びに行く計画を立てたのですが、こんな状況なので諦めざるを得なくて。気楽に旅行に行ける日が早く戻ってくればいいなと思います。
ーー今後の展望を教えてください。
現段階では事務所を拡大するつもりはなく、当面は、今いるメンバーが幸せに働ける体制を維持できればと思っています。
今後は、相続の案件をより多く手がけたいと思っています。相続では、離婚事件と同じように依頼者の感情ケアなどの配慮が必要なので、事務所としての強みを活かせると思います。また、依頼者がお金をきちんと獲得できれば、報酬の面で事務所経営にもプラスになります。経営的に余裕ができたら、ペット関係の事件や、経済的に苦しい方のサポートなどにより力を入れていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
「自分の悩みがそもそも法律問題なのか?」と悩んで、弁護士への相談をためらう方は多いですが、遠慮せず、どんな悩みでもお話いただければと思います。相談で終わるだけでも全く構いません。弁護士の敷居が高いと思わず、気軽にご連絡ください。