
IT企業の経営を経て弁護士へ 前例にとらわれない柔軟な視点で依頼者を救う
会社経営の経験を活かして弁護士に
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
弁護士になる前に、小規模ですがIT関連の企業を設立し、取締役副社長として約10年間、経営に携わっていました。
会社経営では、従業員とのトラブルや取引先からお金が支払われないといったアクシデントに見舞われることもあります。当時は、法的サポートが受けられず、それを受ける手段さえわかりませんでした。
こうした悩みを抱える中小企業の経営者が、もっと身近に法的サービスが受けられるようになればと思い、弁護士を目指しました。
高校卒業後、アメリカの大学に進みましたが、勉強よりもアルバイトや遊びに夢中でした。大学卒業後は貿易会社での勤務を経て、IT会社を設立しました。
弁護士を目指してロースクールに入ったのは32歳の頃です。ロースクールでは、法律を基礎から勉強する未修者コースに進学しましたが、周囲は法学部出身者も多く、勉強についていくことに必死でしたが、二度目のチャレンジで司法試験に合格できました。
海外経験や経営経験を活かし、企業案件や渉外事件に注力
ーー注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
普段依頼が多いのは離婚や相続や交通事故です。いわゆる「町弁」として地域の方の困りごとを解決しています。
今後、力を入れたいのは、IT関係の法律問題です。たとえばIT企業では、ソフトウェアの著作権の問題や依頼事項が追加開発なのか修補なのかといった問題が起きることがあります。
IT企業からの依頼はもちろんのこと、相手方がIT企業といったケースについても、IT企業を経営してきた経験を活かし、多く手掛けていきたいです。
また、会社経営の経験を活かし、企業法務、たとえば労働者とのトラブル対応や就業規則の整備などにも、力になれればと思います。
英語も話せるので、英語が必要となる案件にもより力を入れたいです。たとえば、日本人と外国人の離婚や、外国に相続人がいる、被相続人が海外に不動産を所有しているといった事案は、英語が使えた方がスムーズです。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
前例にとらわれないことです。他の弁護士事務所で解決は難しいと断られたような事案でも解決まで導いた実績があります。
過去の裁判例、通説などを理由に簡単にあきらめることをせず、柔軟な発想と着眼点で解決方法を探ることを心がけています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
無罪判決を勝ち取ったある刑事事件が印象に残っています。
私が弁護をした被告人は、犯人隠避罪で起訴されました。自動車事故について真犯人の代わりに身代わりとなって出頭したことが犯人隠避に問われた珍しい裁判でした。DNA鑑定の専門家に協力を仰ぎ、高等裁判所で逆転無罪判決を勝ち取りました。
それまでの弁護活動が形になって、うれしかったですね。
悩み事があれば、気軽に相談を
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
小学生の子どもと公園やショッピングセンター、遊園地などに遊びに行くことが多いですね。
また、ゴルフも好きです。高校の同窓生のゴルフコンペがあり、先輩から「コンペに出ろ」と誘われ、よく考えず始めましたが、今は趣味になっています。球を打つ感触、ボールが入るところが楽しいですね。
ーー今後の展望をお聞かせください。
IT企業や中小企業向けの案件、英語を使った分野の案件をより多く手掛けていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
問題が大きくなってしまってからでは、手遅れになる場合があります。できるだけ早めに相談してほしいと思います。
弁護士に相談したからといって、必ず依頼しなければならないわけではありません。相談だけでもよいので、気軽にお越しください。