
子どもから大人まで寄り添える弁護士として、依頼者の声に真摯に耳を傾ける
消費者被害と子どもの権利問題に注力
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
大学に進学するまでは、将来法律の仕事をしようとは全く考えていませんでした。法学部に入ったのも、なんとなく法律に興味があったから、というのが正直なところです。
在学中に「せっかく法律の勉強をしているのだから、司法試験を受けてみよう」と思い、受験しました。
法律家の中でも弁護士を選んだのは、トラブルを抱えて困っている人に一番寄り添える存在だと思ったからです。
ーー学生時代はどのように過ごされたのでしょうか。
高校生の頃はサッカー部に入っていました。当時は受験勉強にも打ち込んでいて、部活も勉強も、自分なりに全力を尽くした反動からか、大学1〜2年生の頃はよく遊んでいました。
カラオケに行ったり、1人暮らしをしている友達の家に皆で集まったり。友達もたくさんできて、充実した学生時代でしたね。
ーー注力分野を教えてください。
消費者被害と子どもの権利問題に注力しています。
消費者被害に関しては、弁護士になりたての頃から大きな事件の弁護団で活動する機会に恵まれ、その中で様々な経験をし、成果を上げることができました。現在は、投資詐欺や悪質サイト被害の問題に注力しています。
依頼者とのコミュニケーションを大切に
ーー仕事をするうえで心がけていることは何ですか?
どんな相談であっても、依頼者の話をよく聞くことを心がけています。
たとえば消費者被害では、音声や書類のような物的証拠がないケースがあります。このような場合、依頼者の話を丹念に聞いて、少しでも事件解決につながる情報を集めることが重要です。
子どもの権利問題では、たとえばいじめ事件の場合、ほとんどのケースでは親御さんからご相談いただくのですが、できるだけお子さん本人からも話を聞くようにしています。当事者であるお子さん本人の意向を一番尊重したいからです。
ーー知らない大人に対して警戒したり、弁護士と話すことに緊張したりする子どももいるのではないでしょうか?
そうなんです。お子さんと話すときは、大人と話すとき以上に注意を払っています。なるべく目線を合わせることや、話を遮らずにじっくり聞くことを意識しています。
中には「どんなふうに答えたらこの人は納得するんだろう」と考えて、本心を隠して「正解」を探してしまう子もいます。なるべく本心を伝えてもらうために、聞き方を工夫したりしながら、時間をかけてたくさん話を聞くようにしています。
加害者になってしまった子どもたちにも寄り添いたい
ーー弁護士として活動してきた中で、特に印象的だったエピソードをお聞かせください。
同じ高校の生徒に暴力を振るってしまい、退学処分を受けた高校生の事件です。その子は、復学したいということで裁判を起こし、結果として1年遅れで復学できることになりました。とても感謝してもらえたことをよく覚えています。
もちろん暴力はいけないことですが、子どもというのは精神的にも未熟で、一時の感情の高ぶりで過ちを犯してしまうこともあると思います。
加害者になってしまった子どもたちにもしっかり寄り添い、いい形で事件が解決するように尽力していきたいと考えています。
スポーツはやるのも観るのも好き 盲導犬育成のボランティアにも登録
ーー休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
運動が好きなので、休日はジムに行ったり、弁護士会の野球チームの練習に参加したり、スキーに行ったりしています。ゴルフのレッスンにも通い始めました。
スポーツは自分でプレーするのも好きですが、観るのも好きなんです。地元のチームということもあって、野球は楽天イーグルス、サッカーはべガルタ仙台を応援しています。
お笑いライブもよく観ます。特に好きなのはサンドウィッチマンと東京03。県外までライブを観に行ったこともありますよ。
あとは、最近、盲導犬候補の子犬を約1年間育てる「パピーウォーカー」というボランティアに登録しました。以前犬を飼っていたのですが、数年前に死んでしまって、当時は本当に悲しかったです。また犬を飼いたい気持ちはあるのですが、もう看取るのは辛くて。
パピーウォーカーであれば看取ることはないので、犬と触れ合ういい機会になるかなと思って登録しました。ただ、1年で別れることになるので、それはそれで辛そうですが…。
どんな悩みにも真摯に耳を傾ける
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
最近はインターネットやSNSを通じた法律トラブルが増えてきていますが、今後はまた新しい形のトラブルが発生すると思います。
時代の流れに乗り遅れず、新しい問題にも随時対応して、引き続き、依頼者が抱える悩みを解決していけるよう努力したいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
自分の悩みについて、「わざわざ弁護士に相談するようなことではない」と思うかもしれませんが、実は大きな法律問題が隠れているかもしれません。どうか1人で抱え込まず、気軽に弁護士に相談してください。
悩んでいる間に事態が進行して解決が難しくなってしまったり、さらに別の被害に遭ってトラブルを何重にも抱えてしまったりするケースも少なくありません。
どんなご相談でも、決して突き放すようなことはしません。困ったことがあれば気軽に、そして早めに、相談していただけたらと思います。