矢澤 利典 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
弁護士という仕事にあこがれたのは、小学校のころに見たテレビドラマがきっかけです。ドラマの中の新人弁護士が刑事事件を通じて成長していく姿をみて、弁護士は素敵な職業だと思いました。
実際に弁護士になり、当時思い描いていた弁護士像と、実務を行ってみてのギャップは、現実には多数の仕事を抱えていますので、ドラマの中のように、1つの事件に時間を使えないということです。
司法試験の受験という具体的な目標を持つようになったのは、①法学部へ進学したことで、家族や友人から法律問題について聞かれる機会を持つようになり、その解決によって人の幸せの役に立てることを知ったこと、②小さいころから好奇心が旺盛だったのですが、大学時代に弁護士とお話できる機会があり、弁護士業というのが様々な世界を見ることのできる大変やりがいがあり、しかも自由な仕事だと思ったこと、などがきっかけです。
今までの経験と現在の仕事内容
これまで様々な事件を受けています。
・一般民事:不動産に関する事件、医療過誤事件、建築瑕疵事件、交通事故を含めたその他一般の損害賠償事件、債務整理(破産、再生、任意整理)、労働事件、保全や執行
家事:離婚事件(調停、裁判)、遺産分割事件
刑事:自白事件、否認事件、裁判員裁判事件(4件)
内容としては、殺人、強盗致傷、強姦致傷のような重大事件から、窃盗、詐欺、覚せい剤取締法違反、業務上横領など比較的軽微な事件まで
・集団訴訟:ノーモア・ミナマタ訴訟弁護団、武富士全国1万人訴訟熊本弁護団(事務局長)など
その他:破産管財人、成年後見人
委員会:消費者問題対策委員会、刑事弁護センター委員会、公害対策環境保全委員会など
その中でも特に印象に残っている事件は、一般民事の事件では、一つは医療事件 一般民事では医療事件です。医療に関しては弁護士は素人であり、立証がなかなか難しいのですが、和解に持ち込んで解決することができました。
刑事事件はほとんどが印象的ですが、その中でも特に印象的なのが、事務所に入って初めてもらった刑事事件です。これは共謀による殺人事件で、普通、刑事事件ですと、刑法の知識を強く問われるような事件というのはあまりないのですが、今回は事務所に入って早々に、司法試験受験の時に勉強していた内容の知識を問われるような事件を任されたので、印象に残っています。
また、裁判員裁判も印象に残っています。一般人からすると、被告人は悪者で、弁護士はその悪者の代弁者という考えが強いようで、どのように、こちらのことを理解してもらうかが非常に難しいです。
弁護士としての信条・ポリシー
表面的な法律問題の解決は当然ですが、その根本にある紛争の原因や法律問題解決後の生活についてもできる限り心を配った解決を目指すことです。
例えば、離婚や相続の問題ですと、当事者間の不信感があり、頭では理解できるけど、心から納得することはできないという心情的問題があります。そのような中で、両方の立場を理解し、認め、信頼関係を築くことが大切になります。
また、債務整理に関しても、一時の解決ではなく、その後しっかりと仕事ができるのか、仕事はあるのかという問題についてもお話をすることがあります。
依頼者は、話を聞くだけでも精神的に落ち着き、理性的な話ができる状況にもなりますので、法律問題の解決に直接的には関係のない心情的な部分についても、できる限り聞くことを意識しています。そういったことで、弁護士に求められる資質は、コミュニケーション能力、タイムマネジメント能力、相手の立場を理解する能力、忍耐力と精神力です。
関心のある分野
高齢者の福祉問題、消費者問題、家事(夫婦問題,相続問題)、環境問題、刑事事件です。その中でも特に関心があるのが、消費者と家事です。消費者はどれだけ解決しても、また新たな問題があらわれ、そして、たちが悪いものに進化していくという特徴があります。家事では、知識と資質の両者が問われ、人生経験の未熟さが思い知らされます。