塩田 直司 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
将来弁護士になりたいと思ったのは、小学校の6年生頃で、テレビで弁護士が活躍しているドラマを見てからですが、中学の頃に水俣病の判決などがあり、弁護士としてそのような事件関わりたいと思いました。
熊本は水俣病発祥の地であり、私が中学3年の時に水俣病の結審前で盛り上がっていました。弁護士がそれに動いているということを見聞きしていまして、弁護士はやりがいのある仕事だと思いました。
弁護士こそ様々な社会的歪みを正すことのできる職業だと思いました。
今までの経験と現在の仕事内容
昭和61年に弁護士になり、すぐに水俣病第3次訴訟に関わりました。その後、川辺川利水訴訟、興人慢性二硫化炭素中毒症認定訴訟、ココ山岡損害賠償訴訟、自衛隊のイラク派遣差止訴訟、ニコニコ堂民事再生事件などに関わりました。
その他各時代に応じて発生している様々な事件に関わっています。すなわち、バブルの時代には土地の明け渡し関連で生じるトラブル、その後は金銭消費貸借に関連して自己破産や民事再生、債務整理や過払い金の取り戻しなどです。
現在は過払い訴訟はほぼ山を越えました。過払い訴訟の次に何が多くなったかということは明確に言えないのですが、今のところ離婚等の家事事件が多くなってきていると感じています。
ただ、バブルのころにあった建物の明け渡し関連のトラブルのような状況やその後の過払い訴訟のように急激に増えているわけではないのですが、相対的にそうした事件が増えてきているのではないかと思いますね。
弁護士としての信条・ポリシー
依頼者の言っている事実関係をよく聴き取ること、そしてそれを法律構成すること。私は弁護士にとって想像力と創造力は必要な力だと思っています。事件の真相は何かを想像する力と、依頼者が述べた事実に基づいて、いかなる理論を創造するかで事件を解決することができると思っています。
基本的には依頼者の話すことを聞き取ることが重要だと思います。事情を聞いていく中で、「もしかしたらこういうこともあるかもしれない」ということに思いを至らせて、改めて話の中で感じたことを依頼者に質問します。お互いに言い分が食い違っている部分もあるのですが、実はそんなに食い違っていないこともあります。ですから、事件の背景にあるものを聞く中で想像力を働かせるともしかしたらと思うものが出てきます。これが一つの想像力になります。
また、裁判で証人尋問をやるときに、こちらと打ち合わせができない敵性証人というものがあります。敵性証人が言っていることについて、「この人はどのように行動したのだろうか」「こういうことが普通はあるはずなんだけどな」というように想像力を働かせます。それをもとに尋問をしていきます。そうした時にも想像力が重要になります。
関心のある分野
特に関心のある分野という訳ではありませんが、どうしても医療関係、建築紛争関係は事案が複雑で難しいので、事件の度に勉強させられています。
医療関係も建築紛争関係もどちらも専門的な知識が必要になります。弁護士ではわからない部分がかなりあります。例えば、出産について、どの時点で帝王切開をやるべきだったのか、あるいは酸素吸入が遅れたのかどうかなど色々な問題で勉強させられます。特に医療は毎年進歩していくものです。そうしたこともあり、非常に難しいと思います。
また、建築関係に関しては、例えば耐震構造計算(耐震設計の計算)など文系の頭には到底理解できないようなことがたくさん出てきます。耐震構造計算とは構造計算の専門家でないとわからないと言われています。こういったことを構造の基礎から勉強しなくてはならないので、非常に難しいですね。事件を解決するためには理解しなくてはならないので、日々勉強させられています。