丁寧でわかりやすい説明がモットー。コミュニケーションを重ね、当事者が最も納得できる解決を探る
交通事故事件に注力 複雑さこそがやりがい
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
一つのきっかけになったのは、中学生のときに観た映画です。『12人の怒れる男たち』というアメリカの陪審制度をテーマにした作品でした。この映画を観て、「アメリカの裁判制度ってすごいな」と思い、法律や裁判に興味を持つようになりました。
ただ、そのままストレートに法律家を目指したわけではありません。大学時代は法律よりも政治への関心が強く、卒業後は大学院に進学して政治学の研究をしようと考えていました。政策学という、政策の立案や分析に関する勉強をしたかったんです。ところが、大学院の試験に落ちてしまって。
研究の道に進むことが難しいなら、何を目標に据えようか…と考えたときに思い浮かんだのが司法試験の受験でした。当時はまだロースクールがなく、司法試験予備校に通って、講師の方に個人的にゼミを開いてもらったりしながら勉強に励みました。
ーー大学時代、課外活動などはされていましたか。
法律のフィールドワークのゼミに入っていました。過労死弁護団の川人博弁護士という非常に有名な先生のゼミで、過労死された方のご遺族のもとに伺って話を聞かせていただいたりする活動をしていました。それほど長くは続けられなかったのですが、弁護士の活動や傾聴の方法を学び、非常に貴重な経験ができたと思っています。
ーー現在注力されている分野を教えてください。
一番注力しているのは交通事故です。交通事故の損害賠償は複雑で、事故の状況によって請求できる費目や金額、適正な賠償金を得るための交渉の進め方は大きく異なります。被害回復に向けて、事案に合った方法で対応を進めていくことにやりがいを感じます。
難しい話を、丁寧にわかりやすく
ーー仕事をするときに心がけていることは何でしょうか。
一般の方にとって、法律に関する話は理解しづらいと思うので、なるべく言葉を噛み砕いて、丁寧に説明することを心がけています。依頼者からすれば「理不尽だ」「わかりにくい」と思うような話も、そのようなルールがある理由や考え方から伝えて、納得してもらえるまで説明を尽くすようにしています。
時間をかけてコミュニケーションを取ることで、事案についてより詳しく知ることができますし、依頼者との信頼関係も築けると考えています。
もう1つ心がけているのは、現場を見に行くことです。事件がどのような場所で起こったのか、直接見ることで、依頼者が主張する内容がより具体的にイメージできます。現場を一度でも見ているかどうかが証人尋問で重要になることもあります。全ての事件の現場を見にいくことは難しいですが、必要に応じて、足を運ぶようにしています。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
ある暴行事件が印象に残っています。被害者から、加害者に損害賠償請求をしたいということで相談を受けました。「犯罪被害者の支援をする弁護士に相談したが、断られてしまった」と聞き、私が力になれたらと思って受任しました。
加害者側は3人で、1人は親分、実際に暴行を加えたのは下っ端2人ということでした。ただ、下っ端2人はどちらも生活保護を受けていて、彼らからお金を回収することは難しい状況。そこで、親分を利害関係人という形で保証人にして、和解を成立させました。異例なケースではあるのですが、裁判官にこちらの思いが伝わったからこそ、このような形での和解ができたと思っています。
他の弁護士が断った事件を良い結果に着地させられて嬉しかったですし、何より、加害者側にしっかりとお金を支払わせる形で被害回復ができた点で、心に残っている事件です。
当事者みんなが納得できる円満な着地点を目指す
ーー休日の過ごし方やご趣味を教えてください。
土日のどちらかは仕事をしていることが多いです。ゆっくりできるときは、家族と家で過ごしています。
趣味は読書と音楽鑑賞です。よく聴くのはクラシックですね。ベートーヴェンやショパンの曲が好きです。
ーー今後の展望をお聞かせください。
事件の当事者にとっていい結果を出せるように、1つ1つの案件に力を尽くしていきたいです。
いい結果と一口に言ってもいろいろな考え方があると思います。「勝訴した」「多額の賠償金を得られた」ということももちろん1つの解決の形です。ただ、私としては、もっと広い目で見たときの収まりの良さというか、当事者みんなが納得できる着地点に到達することが一番だと考えています。事件終了後の当事者の関係性なども見据えて、できるだけ円満な解決を目指していきたいです。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
弁護士に対して、「敷居が高い」「怖い」といったイメージがある方もいるかもしれません。でも実際に会いに来ていただければ、それほど近寄り難い存在ではないとわかってもらえると思います。
悩みがある方は、遠慮なく、早めに相談にお越しください。