川見 哲一 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
幼いころより「人から必要とされる仕事に就きたい」という想いがありました。これは、何か特別なきっかけがあったわけではなく、物心付いた時には、自然とそう考えるようになっていました。
学生時代、金融関係などの分野で人の役に立とうと、民間企業への就職も考えたことがありました。しかし、私は何か技術を持った「職人」というものへの憧れがあり、民間企業への就職は諦めました。
そこで、私は「人から必要とされる職人になろう」と決心したところ、「弁護士」とは「法」を扱う「職人」と考えはじめ、弁護士を目指しました。
現在の仕事内容
民事・家事・刑事全般です。何か特定の分野に特化するというよりは、幅広く、様々な案件を扱っています。これは、私が、現在勤務している岩手県の大船渡市が、弁護士の少ない過疎地域であるということに起因しています。
また、大船渡市は、津波の被害を受けた被災地でもあるため、震災関連の業務にも携わっています。具体的には、被災した方の債務整理(個人版私的整理ガイドラインの支援)等をしています。
震災関連の相談のときに意識していること
3点あります。
第1に、とにかく、お話に耳を傾けることです。
依頼者の方の口からは、震災にあった不安・恐怖から、堰を切ったように言葉が溢れて来ます。そうした言葉の一つひとつを丁寧に受け止め、「要するに・・・ですね?」とは話の途中でなるべく言わないようにしています。一見すると法律には全く関係のないようなお話の中に、実は、重大な法的問題が潜んでいることもあるからです。
第2に、法的な根拠を示し、依頼者に安心していただくことです。
法律家である以上、相手に法的な解決策を示すことは、常に要求されることです。しかし、それだけで足りる訳ではありません。法律的な素養を背景として、相談者の方に納得していただき、安心感をもっていただく能力も、弁護士に求められるものだと思います。
最後に、迅速に行動することです。
仮設住宅を周る、相談を受ける、行政官庁に出向くなど、思いついたらアクションを起こすこと。それが、非常に大切なことだと思います。
素早く行動に移すことは、以前から心掛けてきたことではありますが、震災後、改めてその重要性に気づきました。というのも、被災者の方は、自分ではなかなか行動できないことが多い。弁護士自らが、そうした方々の許へ積極的に出向いていくことが必要だと思います。
確かに、熟慮に熟慮を重ねることも重要ですが、机の上だけで考えていたら見えないことや見落としてしまうことがあるのではないかと思います。
関心のある分野
登記・税金関係の分野に関心があります。
とは言え、このような分野に特化した弁護士になりたい、というわけではありません。日々の業務に必要なことが多々あるので勉強していきたい、と言った方が適切かも知れません。司法書士や税理士の方々のお話を聞いたり、弁護士会主催のセミナーなどにできる限り参加していこうと考えています。
また、大船渡市で働いているということもあり、復興計画等にも興味があります。復興に向けた取り組みに、少しでも協力できればと考えています。
ページを見ている方へのメッセージ
東日本大震災で多大な被害が出たことを忘れないでいただければ、と思います。震災直後、無力感に苛まれることもありました。しかし、津波で多大な被害を受けた大船渡市は徐々にではありますが、復興に向けて動き出しています。そして、これからも長期的な視点での皆様からのご支援が必要不可欠です。