倒産・破産分野に注力し、関係者全員が納得できる「三方良し」の解決を目指す
時間をかけて依頼者の話を聞き、理解を示す
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
子どものころから「議論に強い」「口が達者」と周りから言われてて、ディベートに向いているのかなという自覚がありました。そんな中で自分の将来について考えたときに、弁護士が向いているのではないかと思ったことがきっかけです。
ーーでは、学生時代は勉強漬けの毎日だったのでしょうか。
そんなことはありません。大学時代には弓道の部活に打ち込んだり、アルバイトで塾講師をしたりして過ごしました。
司法試験の勉強に真剣に取り組んだのはロースクールに進学してからです。純粋な司法試験の勉強だけでなく、労働法の判例研究会を聴講したり、社会保障法のゼミにも参加したりして、判例の読み方や学者と実務家教員の最先端の議論を学び刺激を受けました。
ーー注力分野を教えてください。
倒産、破産、事業再生に注力しています。
借金を返せるお金がない場合、弁護士に相談すれば、今あるお金と返済義務のある債務を整理して、生活を再建することができます。
ですが、債務整理についてマイナスのイメージを持っている方はまだまだ少なくありません。「借金を踏み倒すと、身ぐるみはがされてひどい目に遭わされるのでは」と。
そうして誰にも相談できずにひとりで悩んでいるうちに、精神を病んで、最悪の場合には自殺してしまう方もいます。
弁護士が関わっていくことで、そうした借金の悩みを持つ方の気持ちを少しでも楽にしたいと思い、力を入れています。
法人や個人事業主の方から依頼を受けることもありますし、裁判所から破産管財人や個人再生委員という仕事を依頼されることもあります。
ーー依頼者と接するときに心がけていることは何でしょうか。
依頼者の話をまずはよく聞いて、理解を示すことです。こちらが話を聞くことで、依頼者の気持ちが落ち着いたり、スッキリしたりすることを大事にしています。
話を聞いて、法的な問題点をこちらが整理するのはその後です。一見関係なさそうな話の中に、実は結構大事な話が隠れていることもあります。面談にじっくり時間をかけるようにしています。
困難な事件でも、どこかに突破口が必ずある
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
抵当権の有効性を争った事件が印象に残っています。ある男性が事業資金のために銀行に融資を求めたところ、銀行は、男性の母親が所有する不動産にも担保のために抵当権を設定しました。
母親は90歳と高齢で、認知症の症状も出ていたため、その娘が「抵当権を設定した契約は無効ではないか」と私のところに相談に来たのです。銀行は契約は有効だと主張して、争いは裁判に持ち込まれました。争点は、母親が契約書にサインしたときに判断能力があったのかという点です。
さまざまな証拠を調べるうちに、契約当時、母親は耳が聞こえなくなっていたことが明らかになり、そこから契約を担当者の証言の矛盾をつくことに成功し、最終的には抵当権を設定した契約は無効という判決を勝ち取ることができました。その判例は「判例時報」という法律雑誌でも紹介されました。
銀行員のように一見、立派そうな人でも、嘘をつくことがあります。強い者が正しいとは限りません。悩んでいる人は、どうしても泣き寝入りしがちだとは思うのですが、どこかに突破口が絶対にあるのではないかと思いながら仕事をしています。
銀行もそうですし、県や国を相手にする場合もそうです。そういう相手を訴えたいと相談に来られる人にも、突破口は絶対にあるはずだと思って、真摯に耳を傾けたいと思っています。
ーーやりがいを感じるのはどのようなときですか。
関係者が皆納得できる解決ができたときです。
例えば、相続争いで兄弟が対立していたけれど、その事件が終わった後に、兄弟で一緒にゴルフに行ったという話を聞いたときには、しこりが残らずによい解決ができたなあと思います。
弁護士というと、相手をやっつけるイメージがあるかもしれないですけど、片方が一方的に勝ち切るような解決よりは、どちらかといえば、皆が納得して丸く収まる「三方良し」の解決を目指したいと思っています。
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
月に2回ほどゴルフをしています。
あとは、漫画をよく読みます。仕事に繋がるような内容の漫画が好きです。例えば、「正直不動産」という不動産業界の裏話が描かれた漫画は、勉強にもなりました。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今後ますます高齢化が進むので、相続分野にも詳しい弁護士になりたいです。判断能力が減退した高齢者の財産を守るために、弁護士が成年後見人になるケースもあります。また、次の世代に相続が起こったときに、兄弟同士で揉めないように相続対策もやっていきたいです。もし、相続で揉めた場合でも、相続人が納得できるように解決したいです。
依頼を受けた案件を1つ1つ地道に、関係者の皆さんに納得いただけるようにしっかり解決していきたいと思います。
ーートラブルを抱えて悩んでいる方へ、メッセージをお願いします。
「現状を変えることは難しいかな」「相手がこう言うから、諦めるしかないのかな」と思うかもしれませんが、相談すれば何らかの突破口があるかもしれません。悩みがあれば遠慮なく相談に来てほしいと思います。