もりなが しょうた

守永 将大 弁護士 プロフィール

所属事務所: 千瑞穂法律事務所
所在地: 広島県広島市中区立町2-23 野村不動産広島ビル9階
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守永 将大弁護士

相談者から高評価の新着法律相談一覧

  • 不動産賃貸

    賃借人より名義変更を依頼されました。
    ・ このような場合は、本来はどのような手続きをするべきなのか。
    ・ 注意すべき点等
    をご教示いただきたくお願い致します。

    詳細:

    店舗を賃貸しています。
    契約者Y氏より、3月に契約したばかりなのに、賃借人名義の変更依頼がありました。
    現行は、賃借人が法人(Y氏が法人代表)、保証人が法人代表Y氏の妻です。
    法人を解散し、従業員を賃借人とし、Y氏が個人で保証人になるよう変更したいという希望です。
    店舗の改装には千数百万かけており、経営も軌道に乗ってはいるようです。
    名義変更および法人解散の理由は、「リスク回避と前向きな展開」とのことで、「クレジットカード不可の期間が長くなる、営業開始が遅れるなども予想されるので数日内に対応してほしい」と変更を急かされています。
    仲介した不動産屋は「問題ない」と簡単に言いますが、契約までに数々のミスやミスコミュニケーションがあり、頼りにしていません。

    このような場合、本来はどのような手続きをするべきでしょうか。

    「個人で借りていたのが法人になった」「子どもが親の事業を継いだ」等の名義変更とは異なり、全くの他人、それも信用度の低い個人に変更して欲しいというわけですから、契約条件が大きく異なることになり、「問題ない」とは思えません。

    注意するべき点、どのように対処したらよいのかご教示いただきたくお願い致します。

    守永 将大弁護士
    回答

    〈質問1に対して〉

     賃貸人の側で賃借人名義の変更に応じる法的な義務は本来ありません。

     もっとも、法人が解散した場合でも、賃貸借契約は当然には消滅せず、清算人が賃貸借契約を含め、法人の財産関係の整理を行うことになります。清算手続きが終了した時点で法人は消滅しますので、賃貸借契約がその時点以降も継続することは考えられません。

     そこで、こうしたことを前提に、賃貸人と賃借人とで話し合った上で、賃貸借契約を双方合意の下に解除するというやり方も考えられます。

    〈質問2に対して〉

     仮に「賃借人名義の変更」に応じるのであれば、賃貸人Xとしては、もともとのリスク以上のリスクは負わないようにする方法を考える必要があると思われます。

     ここで回答の便宜上、ご相談者(=賃貸人)をX、法人(=賃借人)を甲法人、法人の代表者をY、Yの妻(=保証人)をA、従業員をZとしてお話します。

     ご相談の「賃借人名義の変更」は、法的には「賃借人たる地位の移転」を行うという形になります。これは賃貸人・旧賃借人・新賃借人の三者が合意することで実現可能です。

     もっとも、Yが提案した「賃貸人たる地位の移転」に応じた場合、賃貸人Xには、従来にない新しいリスクが生じます。というのは、Zは、自分自身が営業(事業活動)をするのではないのでしょうから、Yに対して、同店舗を転貸借することになり、賃貸人Xは、この転貸借を承認することになるでしょう(民法613条1項)。

     ここで、もし、Yが店舗を不適切なやり方で使用した場合であっても、転借人Yは賃貸人Xに対して直接義務を負うことになりますので、賃貸人Xは、賃借人Yに対して、直接、責任追求することはできます(東京地裁平成26年8月26日参照)。

     もっとも、新たな枠組みではYの妻Aが保証人から外れてしまいます。新たな保証人としてYがつくとのことですが、実質的な賃借人がYである以上、事実上、保証人がいない状態になってしまいます。

     このように、Yの提案内容は、保証人が事実上いなくなるという新たなリスクを抱えるものであって、おすすめしません。もし対応するならY自身を新賃借人とし、保証人は引き続きYの妻Aとすべきです。もっとも、Yの提案自体、不自然な感は否めず、そうまでして契約関係を継続すべきか、慎重に考える必要があると思われます。

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