中田 憲悟 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
父親が会社経営をしていて、法律の重要性を事あるごとに聞かされて育ち、高校生時代には、弁護士を意識して法学入門等を読み始めていました。また、嘘をついたり人を騙したりすることが許せず、正直に生きることが好きという性格もあり、弁護士を目指そうと思いました。
今まで経験した仕事や、担当した授業
広島大学法科大学院では、民事訴訟実務基礎や民事法総合演習、模擬裁判などを担当しており、民事系実務家教員という位置づけです。
これまでに担当した事件は、非常に幅が広く、絞り込むのは大変です。一般的な、建物賃貸借、離婚、相続、交通事故などは、数え切れない件数を担当しています。
経験した事件の中で、印象に残るものとしては、証券取引被害事件(期限が来ると紙くずになってしまう、非常にリスクの高いワラントという商品について、証券会社がリスクの説明をしないで勧誘した点が違法だとして損害賠償請求をした裁判)で苦労しました。西鉄バスジャック事件や、デリヘル嬢殺人事件、ライン殺人事件といった困難な重大少年事件の弁護人・付添人にもなりました。
少年事件の背景に児童虐待の問題があることを認識して、児童虐待防止活動にも関与するようになりました。現在NPO法人子ども虐待ホットライン広島団体の副理事長をしていますし、広島市児童相談所配置弁護士や、死亡事例に関する県の検証委員会の委員にも就任しています。
何人もの少年たちと話してきましたが、虐待を受け、愛情不足のまま育った子どもがほとんどでした。少年事件を減らすには、この虐待による愛情不足を根本から変えなければならないと思いました。
虐待が増えてきている背景として、純粋に家族で子育て経験をした人が少なくなっていることがあります。現代は、核家族化が進んで、生い立ちの中に、兄弟であったり、近所の子どもであったり、そういう「子ども」と触れ合うことが少なくなっています。「子ども」がどういうものなのか、分からないまま親になってしまい、子育てに悩み、虐待に繋がってしまっています。
弁護士としての信条・ポリシー
まず、法律の専門家でなければならず、法改正や判例の研究・分析をしておくことが大前提です。そして、個人も企業も、混迷する社会の下で生き抜こうとしているクライアントの方々の意向をしっかりと把握し、助言し、まめに連絡等をしていくことで、しっかりとした信頼関係を構築しながら業務に携わっていきたいと思っています。
また、知ったかぶりをしない、嘘をつかない、間違ったらすぐに謝ることなど、人間として当たり前だけれども大切なことは、常に意識をしています。
今後の弁護士業界の動向
まず、人数が急増しており、しばらくはこのペースが続いていくと思います。そうなると、経験の浅い弁護士は、継続して事件を受任していくことが非常に困難になっていくはずです。
一時的な広告、宣伝活動による受任はできても、継続して受任していくためには、経験に基づく納得できる解決を成果として築いていかなければなりません。そのためには、経験豊富な弁護士と共同して事件処理にあたる機会を積極的に増やして、経験を積みつつ、未開拓な職域にも積極的に取り組む姿勢が必要になってくると思います。
未開拓な職域の中には、地方公共団体や病院があります。その団体や病院に必要な、専門的な法知識を持った人を組織内弁護士としておくことです。日本ではまだまだ普及しておらず、将来性・可能性がある職域だと考えています。出向期間を設け、外部の法律事務所で経験を積ませ、ある程度経験を積んだところで組織に戻るといった方法などが考えられます。
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