
1つ1つの事件に時間をかけて向き合う「この先も弁護士として丁寧な仕事をしていきたい」
投資被害から日常的なトラブルまで幅広く対応
ーー弁護士を目指したきっかけを教えてください。
大学時代に自分の将来を考えたときに、「企業で会社員として働くのは向いてないのではないか」と感じたんです。法学部に在籍していたこともあり、司法試験を受けてみようと思って勉強を始めたことが弁護士を目指した最初のきっかけです。それから、小さい頃に同級生のお母さんから「あなたは弁護士に向いている」と言われていたことも、頭の片隅にありました。
実際に弁護士になった今、自分の判断で主体的に動けるという点で、弁護士は自分に向いていると感じています。
ーー現在の注力分野とその分野に注力している理由を教えてください。
消費者被害・投資被害です。弁護士3年目から注力してきました。
私がこの分野に取り組み始めた頃に私が取り組んでいた主な被害は先物取引によるものでしたが、その後未公開株やFX取引被害が中心になり、今では仮想通貨をはじめとする非常に様々な内容の投資被害事件に変わっています。
ただ、高齢者など社会的に弱い立場の方が被害に遭いやすいという点は、今も昔も共通しています。そのような被害者を救済する仕事は社会的意義が大きく、やりがいを感じます。
債務整理や交通事故、相続、不動産問題などの案件にも力を入れています。個人が普通に生活しているなかで巻き込まれてしまったトラブルをコツコツと解決することも、弁護士の重要な使命だと思っています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何ですか。
まず、依頼者にわかりやすい説明をすることです。使う言葉一つとっても、なるべく専門用語ではなく、一般の方が理解しやすい言葉を使うように心がけています。そして、事件全体の見通しをなるべく早い段階で伝えて、依頼者の不安や先が見えないことへの辛さを解消するようにしています。
また、トラブルの相手方や裁判所など、事件に関わる全ての関係員に対して必要な礼を尽くすことも大事にしています。たとえ立場が真逆であっても、完全に敵対するのではなく一定の信頼関係を保っていくことが、最終的に事件解決を早め、依頼者のためになると経験上感じています。
事件を解決したときに、依頼者から「親身になってくれた」「話がわかりやすかった」「先生に依頼してよかった」といった言葉をかけてもらえると嬉しいですね。自分が仕事をするときに心がけていることが依頼者に伝わったんだと実感できます。
トラブルを抱えたら、包み隠さず弁護士に話してほしい
ーー趣味や休日の過ごし方を教えてください。
音楽鑑賞が趣味で、休日は事務所に置いてあるオーディオセットでクラシックやジャズなど好きな音楽を聴きながら仕事をしていることが多いです。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
今55歳で、弁護士になって25年が経ちました。80歳、90歳になっても、依頼して来てくださる方がいる限りこの仕事を続けたいです。
弁護士になった時から大事にしている言葉に「優秀な弁護士も優秀でない弁護士もいない。ただ、準備する弁護士と準備しない弁護士がいるだけだ」というものがあります。優秀とは言えない弁護士だとしても、時間をかけて丁寧に事件に取り組めば、負けずに戦っていけるという意味だと捉えています。
今後長く弁護士を続けていくうえで、この言葉を胸に、1つ1つの事件に丁寧に対応したいと考えています。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方にメッセージをお願いします。
何人かの弁護士に会ってみて、そのなかで自分に合う、信頼できると感じた弁護士に、悩んでいることを包み隠さず話してほしいです。自分にとって不利なことでも話してもらったほうが、その事情を踏まえて、最終的にあなたに有利なアドバイスをしやすくなります。逆に、自分に有利なことばかり話されると、あとで不利なことがわかったときにフォローしづらくなるケースが少なくありません。
今は弁護士ドットコムのようなポータルサイトも増えてきて、弁護士へのアクセスがよくなってきています。そのような手段も利用しながら、自分に不利なことも全て話せるような相性のいい信頼に足る弁護士を見つけることが、トラブルを解決するための重要なポイントだと思います。