
依頼者にとっても相手方にとっても、全体としてバランスのよい解決方法を探る
得意だった法律の勉強を活かし弁護士の道へ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
はっきりとした志望動機があったわけではないのですが、たまたま法律の勉強が得意だったので、勉強を続けていたら弁護士になっていました。
というのも、高校生の頃に大病をして、入院のために高校に通えなかったんです。いわゆる大検を取って大学へ進学したのですが、その頃も入退院を繰り返していたので、病院の近くの大学を選びました。その大学にたまたま法学部があったんです。
大学で法律を勉強してみたら、意外と得意だということがわかりました。病気のために就職の選択肢も限られていたので、得意なことを活かそうと思い、ロースクールへ進学しました。
ーー増田先生のご出身は長野県ですが、群馬県で弁護士活動をされるようになったきっかけは何ですか。
私の出身は長野で、高校生の頃から入院のために名古屋にいたので、群馬は初めての土地でした。
司法試験に合格して、司法修習の間は健康だったのですが、その後、手術のために2年半ほどお休みをしました。手術から回復して、弁護士として就職活動をしたときにご縁があったのが、前に所属していた群馬の法律事務所でした。
この地域では、1つの法律事務所に弁護士が長く勤務するケースは多くなく、だいたい3〜5年すると独立していきます。私も前の事務所に5年いたので、その流れで独立しました。5年も仕事をしていると、リピーターのお客さんもいるので、群馬で独立することに決めました。
トラブルの解決方法としてバランスのよい落とし所を探る
ーー注力分野を教えてください。
インターネットに掲載しているのは交通事故の分野です。それ以外にも何分野かやっています。
前の法律事務所が保険会社側の事件を多く扱っていたので、私も自然と交通事故の案件に携わるようになりました。そのときのご縁で知人やお客さんが増えてきたので、今でもやっています。
被害者側や加害者側などは特に限定せずにお受けしています。
ーー仕事をする上で心がけていることは何でしょうか。
トラブルの解決方法として、バランスのよい落とし所を探ることです。依頼者の利益を追求することは当然の前提となりますが、過剰な要求をしたり、手段として行き過ぎたことをすると、かえって相手方に恨まれるなど、依頼者の利益にもならないおそれがあります。
よくあるのが、「『お金を支払わなければ職場に行く』とプレッシャーをかけたい」、あるいは「弁護士の私にそうした対応をしてほしい」といった相談です。そういった行き過ぎたやり方はできません。
お金を一番多くもらった人が幸せになるとは限りません。依頼者にとっても、相手方にとっても、全体としてバランスのよい結論になるように心がけています。
ーー弁護士として活動をされてきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
交通事故の相談で、相手方からの不当な要求に対して、弁護士が窓口になって対応したケースが印象に残っています。
不当な要求とは、例えば、お金を払わなければ職場に行くと脅されたり、暴言を吐かれたりするようなことがあります。被害者には、加害者に対して賠償金を請求する権利がありますが、その権利を実現するために何をしても許されるわけではありません。
そういったケースで弁護士が窓口になることで、依頼者に直接連絡が行くことがなくなるので、安心して過ごしてもらえるようになります。「先生にお願いしてよかったです」と言われると私もホッとします。
「よくわからないけれど何かおかしい」と思ったら弁護士に相談を
ーープライベートについても伺います。休日はどのようにお過ごしですか。
休日は体を休めることが多いですが、余裕があるときには形に残ることをしたいと思い、いろいろなことにトライしています。
例えば、3年前には、ダーツのプロライセンスを2団体分取って、大会に出場しました。
また、2年前には、地元の企業がコオロギを使ったレシピのコンテストをやっていたので、応募してみたことがあります。幸いにも賞をもらい、副賞として群馬県みなかみ町の山岳ガイドツアーをいただいたので、山へ登ってきました。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
案件を一つ一つこなしながら、法的サポートが足りていない分野を埋めていけたらと思います。
地域でやっているので、単発の仕事で終わるようなことはあまりなく、お付き合いしている人たちの関係で仕事が回ってきます。そのご縁をこれからも大切にしていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
私のところに相談に来る方は「よくわからないけどおかしいと思った」とよく言います。そういう感覚ってだいたい合っています。
「よくわからないけどおかしい」と思うことに理由をつけるのが私の仕事です。そういったときに弁護士に相談するという選択肢を持っておくとよいのではないかと思います。