渡邊 大 弁護士
証拠となる携帯電話の画面の写真を確認したところ、・ほぼ間違いなく不貞行為があると思われたこと・夫も女性も浮気を認めていること等の状況から、相手方女性に対して慰謝料請求(精神的苦痛についての損害賠償請求)を行えば、仮に訴訟に至っても一定の慰謝料は認められると考えられたため、相手方女性に対する慰謝料請求について、交渉と訴訟の依頼を受けました(当事務所の弁護士2名が担当となりました。)。その際、①「二度と夫と不貞行為をしないよう求めたい。」という点は、法的に強制できるものではないが、交渉により要望に添う結果となるべく努力すること②訴訟になった場合、不貞行為の相手方が支払うべき慰謝料の額は、不貞行為をした配偶者が支払うべき慰謝料の額より低く認定されることがあること③夫との関係が修復されるか否かという点が慰謝料の額に影響を及ぼすことがあること(関係が修復されると慰謝料の額が低く認定されやすくなる傾向にあること)などを補足説明しました。はじめに、弁護士から内容証明郵便を出しました。内容は、慰謝料300万円の支払いと夫と二度と不貞行為をしないことを求めるものです。これに対し、相手方の女性も弁護士に依頼し、その弁護士から返答が来ました。内容は、夫とは二度と関係を持たないことは約束するが、慰謝料は50万円にしてほしいというものでした。理由としては、予想どおり、離婚に至らず夫婦関係が修復されることを前提に、そのような場合に不貞行為の相手方に慰謝料支払いを命じたいくつかの裁判例などを例に挙げ、相当の減額を求めるというものでした。また、そもそも不貞行為に至ったのは夫側の強い誘いによるものであること、不貞行為に及んだ回数は少数であり期間も半年に満たないものであることも主張してきました。相手方からの返答内容を、依頼者である奥様に報告したところ、奥様は「反省の態度が見られず、許せない。」「自分が、夫との関係修復に関して、どれだけ悩み、苦しめられてきたか全然わかっていない。」「これから夫とやり直していけるかどうかも、本当はわからない。でも、子どものことを考えると・・・。」などと涙ながらにおっしゃいました。奥様のお気持ちはよくわかるため、その思いを、より強く相手方に伝えていかなければならないと考えると同時に、法律の専門家である弁護士として、客観的に事案を検討し、裁判になった場合に認められる慰謝料の上限を考慮して解決の方向性を探らなければならない、そのためには依頼者には容易に納得してもらえない妥協的な内容であっても、それが依頼者の利益の観点から適正妥当なものであれば、懇切丁寧に依頼者に説明して何とかご理解をいただかなければならないと考えました。そのような考えのもと、本件に類似の裁判例やその他の参考文献等の調査をしつつ、相手方の弁護士に対しては、・相手方の提案額では到底納得できないこと・依頼者の現状や精神的苦痛をもっと真摯に受けとめ、反省してほしいことなどを、粘り強く主張し続けました。そのような中、相手方から、これが限界ということで慰謝料100万円の提案がなされ、依頼者と検討した結果、謝罪文言、不貞行為をしない旨の誓約文言等を入れたうえで、慰謝料を100万円とする示談をまとめることとしました。
夫の浮気相手の女性に対する慰謝料請求の
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