
北村 哲 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
高校生のころ、単純に「困っている人の役に立てる仕事がしたい」と考えました。医者もいいなと思いましたが、物理で赤点を取ったのをきっかけに理系はあきらめ、弁護士もいいなと思うようになりました。また、検察官や裁判官とちがい、弁護士は役所や組織に属することなく、自由に仕事ができるという点においても魅力を感じました。
今までの経験と現在の仕事内容
地方の弁護士ですので、民事、刑事、家事事件などごく普通の仕事をしています。
ただ、長く損害保険会社の顧問をしていた関係で、加害者側被害者側を問わず、交通事故の事件が比較的多いです。印象に残っているものとしては、業務上過失傷害事件で無罪を勝ち取った事件、二人乗りのバイク事故で亡くなられた方が運転者かどうかが争われた民事裁判で逆転勝訴した事件でしょうか。
弁護士としての信条・ポリシー
「弁護士は敷居が高い」と思われています。弁護士が思っている以上に、相談者は緊張し、自分の言いたいことを半分も言えないのではと思います。また、深刻な問題でもあえて「それほどでもない」と控えめに説明されることもあります。
これは、自分が病気で医者にかかったときに、「いや、痛みはそれほどひどくはありません」と言ってしまうことがよくあるからです。なるべく話しやすい雰囲気を作り、話を遮らず、共感し、納得がゆくまで話してもらうことを心がけています。
また、初めから全てをお話していただくことは難しいため、相談の終わりには「何か言い損ねていた事があったら、いつでも連絡してください」などと伝えるようにしています。
関心のある分野
弁護士数の増加傾向にあるなか、これからは地方の弁護士でも特徴のある、今までにない仕事をしてゆかないと、展望は開けないのではと感じています。私自身は、中小企業の経営にまつわる法的問題全般に弁護士がもっと関与できる方策はないかに関心があります。
私の父の世代はいわゆる団塊の世代ですが、経営の第一線を退きつつあるなかで、円滑な事業承継等が進まずに廃業率が増えてゆくと、総体としての国の競争力が低下していくばかりです。隣接士業の方との協力も必要ですが、弁護士としてどのようなサービスを提供できるのかを真剣に考える必要があると思っています。