
経営者の思いに寄り添う労務問題のエキスパート〜希望を受け止め、実現に向けた可能性を探る
労使間トラブルの解決や予防法務に注力
ーー注力されている分野を教えてください。
企業から依頼される労務問題の案件に力を入れています。「社員から残業代を請求されたが、どうすればいいのか」といった労使間のトラブルに関する相談や、就業規則の整備や社内研修など予防法務の相談も多く受けています。
依頼された案件に取り組む以外にも、本の出版やセミナーを通して、労務問題を抱える経営者を積極的にサポートしています。
この分野に注力するようになったのは、私自身の経験が影響しています。大学卒業後、アルバイトをしながら司法試験の勉強をしていたのですが、労働環境が劣悪だったんです。残業代が出ないのは当たり前で、殴られることも日常茶飯事、店のものを壊したら修理代を給料から天引きされる…そんな状況がまかり通っていました。
今考えれば法的に問題だらけなことは明白ですが、当時は法律の勉強を始めたばかりだったため法的な知識が少なく、何の疑問も持たずに働いていました。
しかし、労働法を勉強するうちに、自分が置かれた現状と労働法で定められているルールとの間に、ものすごくギャップがあると知って愕然としました。それ以来、労働法に関心を持つようになり、弁護士になった今では注力分野として取り組んでいます。
ーー労務問題に取り組むうえで心がけていることは何ですか?
まず、依頼者の話をじっくり聞くことです。話の内容や希望がどのようなことであっても、一旦受け止めます。頭ごなしに「それは駄目です」「できません」と否定はしません。
なぜそのようなことを希望しているのか伺い、最大限意向に沿った結果を導くために、できること・やるべきことを先に伝えます。法的に実現が難しい部分については、なぜ難しいのか、納得してもらえるまで丁寧に説明します。
依頼者、つまり会社を経営する人の思いや苦労に共感しながらコミュニケーションをとることで、信頼関係の構築につながり、解決に向けて円滑に話合いを進めることができると考えています。
自分の目で真実を確かめ、依頼者のために全身全霊をかけて戦う
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
労務関係ではないのですが、以前取り組んだ交通事故の案件が印象に残っています。
この事故で、加害者は、事故の原因は被害者のスピードの出し過ぎであり、自分には過失がないと主張していました。
しかし、実際に私が事故現場に行って検証したところ、加害者の主張は物理的に成り立たないことが判明したのです。資料だけを見ていてはわからなかったことで、まさに「百聞は一見に如かず」という言葉のとおりでした。
加害者の主張が事実と異なることを証明するために、現場付近の防犯カメラの映像を集め、事故当時の状況を再現する動画も作成しました。それらをもとに裁判で主張立証をおこなった結果、加害者の主張する事故状況を覆し、過失割合が完全に逆転する形で和解できました。
理屈や客観的なものだけを根拠にするのではなく、実際に現場に立って自分の目で確かめてこそ、確信を持って本気で戦える。そう実感した案件として、非常に印象に残っています。
この案件を通して、現場を実際に見るかどうかで最終的な結果が大きく変わることを学びました。交通事故に限らず、労務問題であれば労災事故の案件を扱うときにも、必ず現場に行き、事故に遭った方がどういう現場でどんな仕事をしていたのか、自分の目で確認するようにしています。
ーープライベートについても伺います。休日の過ごし方や趣味を教えてください。
以前はよくサーフィンやゴルフをしていたのですが、最近は子どもと2人で過ごすことが多くなりました。釣りに連れて行ったり、一緒にバーベキューをしたり。色んな経験をさせてあげたいと思っています。
こだわりを持った個性豊かな弁護士が集う事務所を作りたい
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
事務所の展望としては、様々な経歴やこだわりを持った個性豊かで優秀な弁護士が集まる事務所にしていきたいと思っています。私自身は引き続き労務問題に注力し、専門性をさらに高めたいです。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
「自分の悩みは弁護士に話すべきことなのか」と考えて、相談をためらっている方もいると思います。
ですが、悩みが法律トラブルかどうか判断することも弁護士の役割です。法律で解決できない問題であれば適切な相談先を提案しますし、法律に関係する問題なら、解決に向けた対処法を一緒に考えていきます。
1人で抱え込まず、弁護士に悩みを打ち明けて、アドバイスを聞いてみてください。きっと、気持ちがすっきりするはずです。
どんな悩みでもかまいません。ぜひ、気軽に相談にお越しください。