企業と個人の悩みに「誠実さ」をもって向き合う 「話を遮らずに聞く」依頼者の心に寄り添い、紛争を解決
知人のトラブル経験をきっかけにロースクール進学
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
私は大学が法学部でしたが、実は入学当初は弁護士を目指そうと考えていませんでした。法学部に入ったのも、他の学部で学ぶよりは法律を学んだ方が自分の生活に役に立つような気がしたから、という漠然とした理由です。
知人の自宅が火事に遭い、そのせいで隣人とトラブルになったということがありました。大学卒業後、自分は何をやりたいのかを探している中で、このような法律的な問題に直面している方を助けることを仕事にできたらと思い、ロースクール入学を決めました。
ーーどんな学生でしたか?
とにかく楽しい大学生活でした。大学が京都にありましたので、友達と色々な名所を訪れました。多くのお寺に行きましたし、嵐山も何度も訪れました。
大学時代は、司法試験受験を意識して勉強をしていなかった分、大学卒業後からロースクールの時は、かなり頑張りました。毎日、授業を受けた後は夜11時ぐらいまで自習室で勉強するという生活を続けていました。ロースクールで勉強したことは今の仕事の基礎になっていると思います。
試行錯誤する過程も楽しむーー企業法務と幅広い一般民事に注力
ーー弁護士になられてからの注力分野をお聞かせください。
事務所の仕事としては相続や債務整理といった一般民事の仕事を幅広くやっているのですが、最近担当することが多いのが企業法務の分野です。
ーー企業法務の面白さはどこにありますか?
企業法務は予防的な役割が大きいところがあります。何か問題が起こってから対処する、という仕事もありますが、紛争が起こらないように予防的な行動ができることが、企業法務分野の特徴だと思います。
あとは、会社同士の紛争だとお互いに膨大な会社の資料や証拠があります。その中からどの資料が必要なのかを依頼者と打ち合わせしながら考え、適切に証拠を出していくという過程があることも特徴です。必要な資料や証拠が揃えてこちらの主張を通せるように、パズルを解く感覚で試行錯誤する過程が楽しく、どこか気持ち良さを感じます。
ーー債務整理のお仕事も広く扱っているということですが、今も引き続きやられていますか?
債務整理の仕事は常に一定程度やっています。もちろん破産や再生を申し立てる側の仕事も手がけていますし、反対に裁判所から破産管財人や個人再生委員の選任を受けて仕事をさせていただいており、両方の立場の事情や動きなど、理解が深まります。
ーーそもそも、一般民事と企業法務という分野は明確に区別されるのでしょうか?
企業法務といっても、一つの民事の紛争であることに変わりません。相手方が個人でありながら、事件の内容は企業法務であることもあり得ます。中小企業における労使関係や取引先との契約に関する紛争などに関わることが多いのですが、紛争化した場面においては、事件の性質的に、一般民事と企業法務の境目はそこまでありません。
ーー弁護士にお仕事を依頼する方は緊張している方が多いと思うのですが、コミュニケーションをとられる上で気をつけていることはありますか?
最初に就職した事務所が今の事務所ですが、就職した時、まず「依頼者の話を聞くこと」を教えられました。依頼者が法律とは関係のない、感情的な話をすることがありますが、そのようなお話も極力遮らず、誠実さをもって聞くことを心がけています。
ーーその他で弁護士として心掛けていることはありますか?
仕事をやる上での効率化のため、段取りを組むことを心掛けています。仕事が溜まらないよう、どの順番でいつまでに作業をするのかを細かく考えるようにしています。
相手方弁護士からの高評価が自信と励みに
ーー弁護士として活動してきた中で、特に印象的だったエピソードをお聞かせください。
印象深いエピソードは二つあります。一つは刑事事件の弁護人をやった際の話で、依頼者は刑事事件がきっかけで、判決後、今まで離れて暮らしており不通だったご両親と同居するようになりました。ただ、その直後に依頼者がお亡くなりになったということをお聞きしました。最期に長年不通だったご家族と仲良く暮らせるようになって良かったとも思いましたが、同時に寂しい気持ちにもなりました。
もう一つは、ある民事事件が終わった後に、先輩である相手方弁護士から、自分の仕事が良かったと褒めていただいたことは、結果にかかわらず大変嬉しいことでした。
ーー相手方弁護士の方からお褒めの言葉を頂けることもあるのですね。
依頼を受けた以上、相手方が誰であれ依頼者のために最善の仕事はしますが、代理人同士は一人の弁護士ですから、自分や相手の仕事ぶりを意識しています。今回のケースでも、事件が終わった後、一弁護士の先輩として、自分の仕事を評価してもらえ、先輩から見てきちんと仕事をこなしていると思ってもらえると、自分でもそれなりにいい仕事ができたのかなと感じられて、自信になります。
ーー弁護士としてお仕事をやっていく中で一番のやりがいはなんでしょうか?
依頼者が喜んでくださるのが一番のやりがいです。やはり、「頼んでよかった」と思って頂けることが最も嬉しいことです。
その上で、自分自身が納得できる仕事ができること、それが一番のモチベーションとなります。
ーー休日のお過ごし方を教えてください。
家族と一緒に過ごすか、自分の好きなことをやっているかのどちらかです。自分一人の時間があると釣りに行きます。特にバスフィッシングが趣味です。
ーーバスフィッシングのどのようなところが面白いと感じますか?
バスフィッシングを始めたのは小学校の時でした。餌ではなくルアーを投げて巻いていたら魚が食いついてくることに衝撃を受けました。そして、場所選びや魚の誘い方などを考え、その読みが当たってヒットした時がとても気持ちいいです。
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
自分ができる分野を増やしていきたいと思います。新しい制度や法律も次々と出てきているので、まだまだ勉強して経験を積まなければならないことが沢山あります。特に、企業再生や労働関係の分野にも取り組んでいきたいと思います。そして、「自信を持ってできること」を増やしていきたいです。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
この仕事をやっていますと、最初はご自身で行動をされていて、どうにもならなくなってからご相談に来られる方が圧倒的に多いと感じます。弁護士事務所に対して敷居の高さを感じてしまわれる方もまだまだいらっしゃるからだと思います。もう少し前の段階でご相談に来られていたら、また違った形での解決もあり得たというケースがよく見られますので、とにかく「行ってみようかな」ぐらいの気軽さでご相談に来ていただければと思います。