「法律の力で人助けがしたい」 消費者と労働者を真に理解し、問題解決に尽力する
増加している仮想通貨詐欺 泣き寝入りしてしまうケースが多発
ーー弁護士を目指したきっかけや理由について教えてください。
高校生の時に「カバチタレ」というドラマを見たことが法律に関心を抱いたきっかけです。行政書士が主人公のドラマだったのですが、法律で人を助ける姿がかっこいいと思いました。
最初は検察官志望でしたが、検察という大きな組織に所属するより、弁護士として自分の思うように仕事ができたら「カバチタレ」の主人公のように人助けができると思い、弁護士志望に変わりました。
ーーロースクールでの生活はいかがでしたか?
司法試験を目指す仲間ができ、いい刺激を受けました。検察官や裁判官など実務家と話す機会もあったので、自分がどのような法律家になるべきかを決められたと思います。
ーー注力されている分野と、注力している理由についてお聞かせください。
消費者事件と労働事件に注力しています。
消費者問題については、司法修習中に消費者生活相談センターで研修を受けたことがきっかけです。研修の最終日に、悪質な押し売り被害に遭った方の相談を受け、無事に問題解決できた時、相談者から感謝の言葉をいただきました。
ひどい消費者被害を目の当たりにしたことで、被害者を救済したいと思うようになりました。今では弁護士会の消費者委員会や消費者被害弁護団に所属し、事件解決に力を入れています。
ーー悪徳業者はどうやって消費者を騙すのでしょうか?
今も昔も騙し方はあまり変わらず、いわゆるマルチ商法が多いです。下っ端などを使って組織的な犯行をおこない、トップは特定されないよう行方をくらまします。外国の企業が主犯格のケースもあります。
近年では、仮想通貨が絡んだ投資詐欺が頻発しています。利益が生まれないような仮想通貨に投資させ、お金を騙し取る特殊な詐欺です。
仮想通貨詐欺については、裁判例がまだ少なく、議論も十分に足りていないので、解決が難しいという現状があります。
ーーそのような特殊な詐欺に対して弁護士はどう立ち向かうのでしょうか?
依頼者が把握している情報を整理することから始めます。悪徳業者とのやりとりの記録がないか、メールやSNSを確認します。
相談者がどれだけの被害を受けたのかを把握する必要もあります。業者が請求書を出すことはあまりありませんが、例えば、相談者が出したお金がどれだけ増えたかを報告する運用利益報告書などを出している業者もあります。
こうした資料をできるだけ集めて、実際に損害を回復できるかを検討します。ただ、資料が乏しく、加害者の居場所等が特定できないケースが多いです。このような場合、裁判で勝つことは難しいと言わざるを得ません。
「詐欺かも」という危機感を持ち、早めの相談を
ーー消費者問題の解決と予防に向けて何が重要なのでしょうか?
一人一人が法律知識を身に着けることが重要です。消費者生活相談センターや消費者庁はウェブ上に有益な情報を紹介していますし、弁護士会の消費者委員会は無料の法律相談会をおこなっています。そのような場を通して、法律知識を身に着けていただくことが重要だと考えています。
一人一人が「自分も被害に遭うかもしれない」という危機感を抱くことも重要です。少しでもおかしいと思ったら、契約書にサインしたりお金を払ったりせず、誰かに相談してください。
ーー労働事件にも注力しているということですが、どのような相談が多いでしょうか?
最近は電話相談でパワハラ・セクハラ被害の相談を受けます。泣き寝入りせず、きちんと声を上げるという意識が普及しはじめているのかもしれません。そもそも、労働法は労働者を保護するためにできた法律です。労働者は、基本的に企業側より有利な立場にいます。
ただ、依然としてパワハラは難しい問題です。そもそも何がパワハラに当たるのか明確な基準がありません。パワハラだとしても慰謝料がどれだけ認められるのかもはっきりしません。解決が難航するケースは多いですが、裁判例等をリサーチの上、ご依頼者様がご納得できる結果が実現できるよう心掛けております。
「プロの弁護士とは、依頼者のことを本当に理解している人」
ーー依頼者とのコミュニケーションにおいて心がけていることはありますか?
依頼者は誰しも、トラブルによって心の傷を負っていると思います。法律や費用についての話は後にし、まずは依頼者の話を聞くようにしています。お悩みやご要望を共有していただき、その上で解決策を提案します。
私が思うプロの弁護士とは、依頼者のことを本当に理解している人だと思います。法律に精通していても、話を聞いてない弁護士は、依頼者からすると頼りなく見えてしまうでしょうし、信頼関係を築くことも難しいのではないかと考えています。依頼者の話をよく聞き、よく理解している弁護士こそ、その依頼者にとってプロの弁護士だと思います。
ーー休日のお過ごし方を教えてください。
声楽が好きで、オペラの本格的な活動をしています。大学時代に男声合唱部に入ってからオペラの魅力に惹かれ、今では西日本オペラ協会の方々とともに、今年12月に福岡サンパレスにて公演されるオペレッタ「メリー・ウィドウ」の出演に向けて、プロの声楽家の指導を受けて練習しています。
何百年も前にできたオペラが、今も同じように公演されていることに感動します。オペラに興味がある方は、まずは「カルメン」を鑑賞してみてください。序曲は誰もが一度は聴いたことがある名曲ですし、ストーリーもドラマティックなので、一気に引き込まれると思いますよ。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
最近、他士業との勉強会を立ち上げました。社労士や公認会計士、税理士、不動産鑑定士、そして弁護士の合計7名がメンバーです。今後は他士業と連携し、他士業から得られる知見を仕事に活かしたいと思います。いずれはこの勉強会が主催する相談会を開くなど、独自の活動をしていきたいです。
分野についても、事務所が不動産事件に注力しているので、賃貸借関係や不動産売買のトラブルについてより勉強したいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
トラブルに遭われた時に、インターネットで対処法を調べる方は多いと思います。ただ、インターネットで出回っている情報が確かとは限りません。いくら調べても正しい結論が分からず、不安な気持ちが募るだけではないかと思います。まずは専門家にご相談ください。