公務員としての経験と知見を活かし行政分野に注力 ミュージシャンのための法律相談サービス運営も
弁護士資格を得た後、公務員として勤務
ーー弁護士を目指したきっかけはなんでしょうか。
明確なきっかけがあったわけではありません。大学に入ったころは、ぼんやりと将来どこかの会社に就職するんだろうなと思っていました。法学部に進んだのも、法律の知識がいずれどこかで役立つのではないか、という程度の動機です。そんなふうに法律に向き合っていたので、最初は難しくてとっつきにくいものだと感じていました。
ですが、法律を学んでいくうちに、法律が身近で社会を動かしていると実感するようになり、次第に真剣に学ぶようになりました。その流れで弁護士を目指すことを決意したんです。周囲に司法試験を目指す仲間がいたことにも後押しされました。
ただ、勉強ばかりの学生生活ではなく、軽音楽部に入部して、学内だけでなく、ジャズバーで演奏したりもしていました。今でも月に1、2回は学生時代に通った店で演奏しています。
ーー弁護士になった後で、自治体で公務員として働いていた時期があるとのことですが、どうして弁護士になってから自治体で働こうと思ったのでしょうか。
率直に言えば、弁護士になりたてのころに自身の社会経験のなさを痛感したことがきっかけです。弁護士として活動する以前に、組織に所属して成長したいと思ったんです。同時に、弁護士としての専門性も身に付けたいという思いもありました。
当時は、「弁護士も専門性を身に付けるべき」という考えが広まりはじめたころだったんです。行政関係は常にニーズがあると考え、役所の法務部に相当するような場所にお世話になりました。
主に、自治体内の各部署からの相談に応じる仕事でした。学校関係のトラブルや税金の滞納問題、道路の事故やその対処などさまざまです。普通の弁護士事務所では経験できない仕事を数多く経験できたと自負しています。
そうした環境で4年間ほど働いて、弁護士業に戻りました。
ーー現在はどのような分野に力を注いでいますか?
やはり行政関係ですね。自治体が運営する施設での事故の賠償請求、不祥事を起こして懲戒免職を言い渡された職員の代理、自治体から不当な扱いを受けた方からの相談など、公務員時代の経験を生かして対応しています。
高齢化が進んでいるので遺産相続問題も多く取り扱っています。行政トラブルと通ずるところがあるのですが、当事者が亡くなってしまうことで税金などの支払いが複雑化してしまうので、困っている方がとても多い印象です。他にも、離婚などの家事事件も取り扱っていますが、やはりこちらも公務員時代に得た知識が生きてくる場面があると実感します。
ミュージシャンの一人として、音楽業界の発展に貢献したい
ーー『Law and Theory』という団体に所属していると伺いました。どのような活動をしているのでしょうか。
『Law and Theory』は私のような音楽好きの弁護士が集まって設立した、ミュージシャンのための法律相談サービスを行う団体です。
有名無名を問わず、演奏者、作曲家、DJ、レッスン講師など、音楽に関わるさまざまな方から相談が寄せられます。
内容は、「無断で楽曲が配信された」「事務所を移籍したら自分たちの楽曲を演奏できなくなった」といった著作権に関連するものから、「ライブの出演料が支払われない」「楽曲制作にサンプリングを利用したいが、法的にどんな点をクリアにすればよいのか」といったことまで、これまたさまざまな相談が寄せられます。
ーー利益のためというよりは、音楽業界のために活動なさっているのでしょうか?
その通りですね。音楽業界の未来のためにボランティアのつもりで活動しています。弁護士に相談して音楽を取り巻く複雑な法律問題を解決できれば、ミュージシャンは音楽活動に専念できます。ミュージシャンが、気軽に弁護士に相談できる環境を作ることが『Law and Theory』の目指しているところです。
ーー休日はバンド活動で忙しいのですか?
いえ、そんなに忙しくありません。子供がまだ小さいので、家族と過ごす時間が多いです。妻もフルタイムで働いているので、私が保育園のお迎えなどにも行っています。自分の音楽活動にはあまり時間を割けていませんが、妻が月に1〜2回、私に自由な時間を作ってくれて、音楽活動をさせてくれることに感謝しています。
ーー今後の展望をお聞かせください。
現在の方向性を維持しながら、行政のインフラ問題には特に力を入れたいと考えています。私と山室弁護士の二人で事務所を運営していますが、得意分野が異なるため、お互いの専門性を活かしながら行政以外の分野でも相続や不動産など、より幅広いサービスを提供していきます。また、『Law and Theory』については、多くの方に知ってもらい、音楽業界の向上に少しでも貢献できれば嬉しいです。
ーー最後に、法律のトラブルで悩んでいる方にメッセージをお願いします。
当事務所は「かかりつけの弁護士」を目指していて、何かあれば気軽に相談できるよう依頼者・相談者との綿密なコミュニケーションを大事にしています。行政関係の法律トラブルは複雑な案件が多いため、依頼者との密なコミュニケーションが解決への重要なポイントだと考えているからです。まずはお気軽にご相談ください。