星野 圭 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
大学生の頃、阪神・淡路大震災の時に学生ボランティアとして神戸市長田区新長田に滞在していました。被災者の方々が復興に向けて動き始めたとき、弁護士による法律相談支援が被災者の方々にとって生活の支えのひとつになっていました。
例えば、震災により、隣人間で土地の境界が分からず、争いが起こるということがありましたが、弁護士に相談することで、問題がどこにあるのか明確になり、一つ一つ片付いていきました。
将来を憂いて深刻な表情であった方が、法律相談を終えた後、すっきりとした穏やかな表情になっているのを見て、私は、法律でも救える「命」があると実感しました。この体験が私の原点のひとつです
今までの経験と現在の仕事内容
業務としては、市民生活に関わる民事、刑事の事件全般を取り扱っています。刑事事件では、2012年2月に無罪判決を得ました。特に専門的に取り組んでいる事件分野は、労働事件です。未払い賃金請求事件、解雇・雇止め事件などの一般的な労働事件のみならず、派遣労働者の直接雇用請求事件、過労死・過労自死(過労自殺)事件などにも力を入れています。
また、貧困問題対策や社会保障問題の分野での活動もしており、生活保護、障害者問題については、弁護団活動のほか、日弁連や福岡県弁護士会の委員会での活動もしています。その中でも特に印象に残っている事件は障害者自立支援法違憲訴訟です。原告の方々は障害のあるすべての方々の平等権や生存権の保障を求めて訴えを提起しました。
この訴訟は、提訴から約2年後に政府から和解したいと申し入れがあり、訴訟団と政府との間で基本合意を締結して終了しました。その後、障害者自立支援法は形式的には廃止されましたが、代わって成立した障害者総合支援法も様々な問題を持っているため、あるべき総合福祉法の制定・改正に向けてこれからも取り組んでいきたいと思います。
弁護士としての信条・ポリシー
何よりも「命」がたいせつであるということを常に意識しています。命は様々な人との関係性の上に成り立っていると思いますが、自ら命を断とうとしている人は、この関係性が見えなくなっていることが少なくありません。
弁護士に相談に来られる方にも、深刻な悩みを抱えておられたり、周りが見えなくなるほどに追い込まれておられたりする方がしばしばいらっしゃいます。弁護士は、法律を駆使して、その方の不安をひとつずつ取り除き、ひいてはその方の「命」を守る活動をすることができる存在だと考え、相談に臨ませていただいております。
例えば、お金の問題で命を捨てる人がたくさんいますが、お金の問題は法的にどうにでもなります。悩んだらとりあえず弁護士に相談して下さい。
関心のある分野
国民生活の基礎である第一のセーフティネットというべき労働分野において、労働者の権利を確立・強化することに強い関心があります。
私はロスト・ジェネレーション世代という、ちょうど山一証券が破綻し、就職・雇用環境が崩壊し始めた頃に大学を卒業した世代です。その後、雇用・就労環境は悪化の一途をたどっています。この状況を何とかしたい、自分と同世代の労働者とともにたたかっていきたい、この思いが労働問題に強い関心を持つきっかけの一つになりました。
他には、安心して暮らせる社会の礎となる生活保護ないし各種の社会保障の充実・整備のためにも、弁護士としてできることに従事していきたいと考えております。