企業での勤務を経て弁護士に〜ビジネスの現場への理解を強みに、企業の発展と従業員の幸せを支える
会社員時代に業務を通して法律に興味を持つ
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
私はもともと会社員として化学メーカーで働いていました。配属された事業所では官公庁とやり取りすることが多く、行政からの監査の対応や必要な届け出を行うなど、さまざまな業務を担当しました。
こうした業務をおこなう中で、企業がビジネスを展開する上では、法律による様々な規制を守る必要があることを知りました。仕事をスムーズに進めるために法律の知識を身につけたいと思い、少しずつ勉強を始めました。
勉強をするうちに、より本格的に法律を学び、法律に関連する資格を取りたいと思うようになりました。私は就職氷河期に就活をした経験があり、「不安定な世の中で自分の身を守っていくためには手に職をつけることが重要だ」と、肌で感じていたんです。
ちょうど、ロースクール構想が検討されていた頃で、社会人経験者を幅広く法曹の世界に受け入れようという動きがありました。「これはチャンスだ」と思い、司法試験を目指そうと決意し、仕事を辞めてロースクールの1期生として入学しました。
ーーロースクール時代はどのような生活を送っていましたか?
仕事を辞めて司法試験一本に絞り、妻に生活を支えてもらっていたので、もう後がないわけです。絶対に合格しなくては、と自分にプレッシャーをかけ、遊びにも行かず、お酒も飲まず、ひたすら勉強に打ち込みました。合格したときは心の底からホッとしましたね。
福岡県で勤務弁護士としてスタートを切り、2015年に現在の事務所を立ち上げました。
企業法務に注力 組織と働く人の幸せを願う
ーー注力分野を教えてください。
注力しているのは企業法務です。会社勤めをしていた経験から、会社組織がどのように動いているかを理解していますし、トラブルが起きやすい局面についても把握しています。このような強みを活かし、弁護士としての目線と企業側の目線の両方から、企業が抱えるさまざまな問題や悩みを解決するべくサポートしています。
企業法務は法人がお客様ではありますが、個人、つまり会社で働く従業員にも間接的に関われる仕事だと思っています。
私たちの人生の中で大きな時間を占めるのは、働いている時間です。人がイキイキと元気に生きていくためには、当然仕事が楽しくなければいけません。そして、楽しく働くためには、会社が健全に機能している必要があります。
弁護士として裏から会社をサポートすることは、会社のみならず、そこで働く個人の幸せを支えることでもあると思っています。「働く人が、今よりさらに幸せになれるように」という思いを持って取り組んでいます。
企業法務に加えて、最近は「債権回収」の分野の依頼も増えてきました。企業にとって、入ってくるはずのお金が入ってこないことは死活問題です。企業が滞りなく活動していくための力になりたいと考えて取り組んでいます。
ーー依頼者のために心がけていらっしゃることはどんなことですか?
まず、依頼者の話をきちんと聞くことです。どのような話も途中で遮ったりせず、じっくり耳を傾けます。
ご依頼いただく事件の中には、見通しが厳しいものも当然あります。依頼者には、「その希望を叶えることは難しいです」「法律的にはその請求は厳しいです」など、現実をきちんと伝えるようにしています。
依頼者に共感して寄り添うことは必要ですが、専門家の役割はそれだけではありません。
以前、先輩弁護士に、「井戸に落ちた人を助けるとき、上からはしごを投げるのが専門家。一緒に井戸に入ったら、相手も自分も助からない」というふうに言われたことがありました。この言葉の通り、依頼者と同化するのではなく、現実的な見通しを伝え、その上で、客観的な視点を持って最善の方法を考えることが専門家の役割だと思います。
ーー弁護士として活動してきた中で、印象に残っている事件やエピソードを教えてください。
債権回収の事案が印象に残っています。依頼者が、商品をお店に卸していたのですが、お店の方が代金を支払ってくれないということで相談を受けました。実際に着手してみるとなかなか悪質な事案であることがわかりました。
お店に対して「代金を支払ってください」と言っても、「オーナーが変わったので知りません」などと拒否され、交渉によって回収することは難しい状態でした。
そのお店は営業を続けていたので、どうすれば回収できるか考えて、ある方法を思いつきました。まず、私が客としてそのお店を訪れ、代金をクレジットカードで支払います。クレジットカードを使ったときに発行されるレシートには、様々な情報が記載されています。その情報を手がかりに、カード会社からお店に入る代金を差し押さえるという方法で、代金を回収することに成功しました。
日頃から、交通事故など、現場がある事件はできるだけそこに足を運ぶようにしているのですが、債権回収で現場に潜入することは通常あまりないので、印象に残っています。
選んでもらえる事務所、弁護士でありたい
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
休日は子どもと一緒に過ごすことがほとんどです。勉強を見たり遊びに付き合ったりしています。勉強を教えると嫌がられるんですけどね(笑)。
いま、子どもたちの間でスケボーが流行っているようです。私も、子どもと一緒に練習をしていたらいつの間にか乗れるようになったんですよ。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
先日、改正民事訴訟法が成立しました。これから民事裁判のIT化が進み、今まで裁判所まで足を運んでおこなっていた手続きがオンラインでもできるようになるなど、状況が大きく変化していくと思います。
今は福岡を拠点に、九州・沖縄一円を活動範囲としていますが、IT化が進めば、裁判所が遠いエリアからの相談・依頼も受けられるようになります。活動範囲が広がるとともに、法律事務所間の競争も激しくなるでしょう。
そのなかで、選んでいただける事務所、弁護士となれるよう、研鑽を積んでいきたいです。特に、注力分野の専門性をより高めたいですね。
ーー最後に、法律トラブルを抱えて悩んでいる方へメッセージをお願いします。
「こんなことを弁護士に相談していいかわからない」と、相談を躊躇される方がとても多いです。弁護士は、「とっつきにくい」「怖い」「敷居が高い」などと思われがちです。でも実際に弁護士と話していただければ、「想像していたよりも話しやすかった」とイメージが変わるのではないか、と思っています。
悩みを人に話すだけで、心が落ち着き休まるものです。あまり難しく考えず、お気軽にご連絡ください。