30年以上の豊富な知識と経験が糧 依頼者の利益と社会正義のために最善の対応を目指す
税務と行政事件に注力 権力の誤りを正す法務を
ーー弁護士を目指したきっかけや理由を教えてください。
私は、昭和53年に早稲田の法学部に入ったのですが、周りに司法試験を受験する人が多かったのです。私も大学2年の時にヨーロッパ旅行を終え将来について考え、勉強熱心な人に囲まれた環境の中、私も一緒に受験してみようと思い、勉強を始めたのがきっかけです。
私のクラスは35名くらいでしたが、6名が司法試験に合格しました。司法試験の合格者が今より少なかった当時としてはかなりの人数です。1人は検察官になり検事長をしています。また、著名な行政法教授になった人もおり、同じクラスとして誇りに思っています。
ーーどんな学生でしたか。
大学時代の一番の思い出は大学2年生の夏にバックパッカーとして50日間、1人でヨーロッパ旅行をしたことです。
イギリス、フランス、ドイツ、スイス、スペイン、イタリア、ギリシャ、どの国も素晴らしい国でしたが、クラシック音楽が好きなこともあって演奏を聞いたオーストリアが最も印象に残っています。また、イタリアから足を延ばして、エジプトに行きました。エジプトではカイロとルクソールの町を観光しました。この旅行は、当初の計画とほとんど違わずにやり遂げたので自信になり、弁護士になってからも困難な事件があっても仕事の原動力になっています。
ーー弁護士になられてからの注力分野をお聞かせください。
弁護士になってからは、仕事を覚えるために、いろんな事件を扱ったのですが、ボスがやっていた事件が最高裁まで行き、逆転勝訴になったのですが、その事件につき最高裁まで鞄を持ってついていき感動しました。それ以来、税金を含めた行政事件に関心を持ちました。 現在は、日本税法学会に所属し役員を務めている関係で、税理士の方から税務に関する案件の依頼を受けることが多いです。
税務に限らず行政事件を広く手がけています。行政が誤った処分をしたとき、是正したいという意識を強く持っているので、国や県を相手にした事件を積極的に取り扱っています。
ーー税金は税理士が扱うというイメージですが、税務における弁護士の役割はなんでしょうか?
「税金を課されることがおかしい」「税金の額が高すぎる」というような場合には、審査請求、訴訟でしか争えないので、税務署の処分に納得できず争いたいときに弁護士が関わります。
納税額を決定した処分を見直すよう不服を申し立てるとき、その申し立てから関わったことがあります。早い段階で弁護士が関われば、事例で有利になる場合もあると思います。
ーー税務を扱うのは難しいのでしょうか?
争点がはっきりしていることが多いので、税理士さんと十分、意見交換をしながら進めるので、そこまで難しくありません。しかし、税務訴訟は納税者の勝訴率が低いのが現状です。税務署はある程度の証拠を持って更正処分をしているので、それを覆すのは並大抵のことではありません。
それでも、昔よりは勝ちやすくなったと思いますし、勝った時の喜びは大きいです。実際、数年前に国、県、市町村を相手取った3つの訴訟で勝訴したことは誇りに思っています。
社会の不条理と向き合い、被害者に救済の手を差し出す
ーー桃原先生は「無罪のあと、ちゃんとしよう!弁護団」に携わっています。どのような活動をしているのしょうか?
交通事故の刑事裁判において無罪を獲得しても、当然に運転免許が回復しないことを御存知ですか。「無罪のあと、ちゃんとしよう!弁護団」では、運転免許を取り戻せない現状に風穴を開けるべく、若手の弁護士を中心に活動していますが、私もその活動に加わっています。
行政処分と刑事処分は法的には別問題ですが、発生した事実は一つです。刑事裁判において過失がなかったという事実が認定されれば、免許を取り消す根拠が失われるので、同時に免許を取り消した処分も撤回されるべきです。国もそのことを認識していると思うので、訴訟やロビー活動を通じて立法による変化を促そうとしています。
ーー先生は、福岡犯罪被害者支援センターの理事をしていますが、被害者が泣き寝入りしてしまうことが多いのでしょうか?
被害者救済のための法整備も進んではいますが、依然として泣き寝入りしてしまう方が多く見受けられます。直接の犯罪被害者だけでなく、犯罪で亡くなった方のご遺族に対しても最大限の救済ができるよう、福岡犯罪被害者支援センターの活動などを通じて弁護士として何ができるかアドバイスしています。
犯罪被害者支援が発展するには、犯罪被害者への理解が大切です。法改正によっても人の意識は変わりますが、若い方が、犯罪が人に及ぼす影響や被害者が経験する苦悩について学べば、より良い被害者支援が行えると思います。
ーー先生がお仕事において心がけていることはありますか?
弁護士事務所に相談に来る方は深刻な問題を抱え込んでいる方もいます。表には出せないような感情や心境をお話しされることもあります。そのような方に先入観や偏見を持たず、真摯に悩みや要望を聞き出し、いち早く悩みを解決するよう最大限の努力をします。
「好きな仕事をやり続ける」 後継者を育てたい
ーー30年以上キャリアを持続する原動力はなんでしょうか?
自分の好きな仕事をやり続けることだと思います。弁護士は紛争というプレッシャーと日々向き合うので、趣味などを通して息抜きすることも大事だと思います。
若い弁護士にも、好きな仕事を見つけてほしいとお伝えしたいです。若い時こそ、お金になるかどうかを問わず幅広く仕事をやってみると、好きな分野を見つけるきっかけになりますし、今後のキャリアの糧になると思います。
ーー休日の過ごし方を教えてください。
自宅でクラシック音楽のCDを聞いています。休日の昼にモーツァルトの牧歌的なセレナードを聴いてのんびりします。
スポーツ観戦も好きです。野球と相撲が好きで、30年以上それぞれのスポーツ雑誌を集めてきました。
ーー先生の今後の展望についてお聞かせください。
後継者を育てていきたいと感じています。彼らには自分の好きな仕事をやる姿勢を持ってほしいと思います。
ーー法律トラブルを抱えて、悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
電話のみでの相談にとどまってしまう方もいますが、電話越しではなかなかこちらが伝えきれないことがあったり、本人の気持ちや要望を真に共有できなかったりすることがあります。
ぜひ、事務所にお越しいただいてご相談していただければと思います。