河内 美香 弁護士 インタビュー
弁護士を目指したきっかけ
①司法試験を受けようと思ったのは、最初から、法律に興味があったからではありません。大学は、文学部(社会学専攻)で、卒業後、航空会社に入社し、客室乗務員として働いていました(国内線)。 将来のことを考えると、私のような、お金も、コネもない女性(笑)は、特に、資格が必要だと感じ、どうせ受けるなら、1番難しい試験を受けてみようと思い、受験を始めました。
②もともと、組織で働くのが苦手なタイプでしたし、司法修習中(実務)、指導担当をしていただいた弁護修習先の先生の考え方、仕事ぶりに、共感し、尊敬するところが大きかったことが弁護士を選んだ大きな理由です。
客室乗務員の経験、弁護士業務に活かされたか
正直、よくわからないです。
弁護士は、当然、相談者の法的リクエストに応えることが求められますが、単なる、イエスマンではありませんし、時には、相談者に厳しい話をしなければならない場合もあります。耳に心地よい話ばかりするという訳にはいきません。人との関わり方の質が違う点、違和感を感じていました。
一ついえることは、前職では、毎日、ほぼ初めてお会いするお客様と接してきましたから、初対面の方とお話することは慣れているかもしれません(笑)。
今までの経験
まち弁です。離婚、相続、交通事故、労働問題、借金の問題等幅広く扱ってきました。
また、実家が自営業(小規模零細です)をしています。親の苦労を見てきましたから、小規模零細企業の経営者の方の悩み、問題は実感でき、何とか、弁護士として、同じような方の役に立ちたいという思い、会社・個人を含め、事業に関する事件もやっています。
現在の仕事内容
特に、最近力を入れているのは、金融商品に関するトラブルに対する被害救済です。
未公開株や実態のない社債などの詐欺的なものから、消費者の立場で十分な説明をしないまま仕組みの複雑な金融商品を購入させられているケースなど、相談内容は様々です。
また、高齢者の生活に関する相談も多く、具体的には、成年後見人という形で支援することが増えています。
弁護士としての信条・ポリシー
①「あきらめない」、②「満足しない」、③「落ち込まない」の3点です。
①「あきらめない」とは、裁判で負けそうになっても、最後まで、粘ることです。例えば、相手方が大企業の場合、大抵の相手方は自己に有利な証拠を事前に書面等で準備し、紛争に備えています。
他方で、消費者の側は、「言った、言わない」の話になってしまいがちで、証拠上、こちらが劣勢になる場合があります。そのようなときでもどこか突破口はないか考え、角度を変えて事件を見直す努力を怠らないよう自分を叱咤しています。
②「満足しない」とは、仕事の結果を事後的に批判的に検証すること、すなわち、「自分を褒めない」ことです。よい方向に事件が解決しても、「まだ、何かやれたはずだ」という気持ちを忘れないようにしています。
③「落ち込まない」とは、とにかく前向きに、気持ちを切り替えて仕事に取り組むことです。結果が思わしくないときももちろんあります。落ち込んだ気持ちではいい仕事はできませんから、気持ちの切り替えは大事です。
依頼者と接するときの工夫
相談の内容や相談者によって様々ですが、私は、相談の初めは、ある程度、依頼者の話の腰を折らず、話を聞いています。皆さん、緊張していることが多いので、リラックスしてもらうためです。また、一見すると、事件に関係ない世間話のなかに、意外と有用な情報や、相談者の記憶を引き出すための質問の手がかりを得ることができるからです。
また、これは、ほとんどの弁護士がやっていることですが、時系列を示したり、依頼者の経歴を絡めながら質問して、記憶を引き出すようにしています。
関心のある分野
金融商品取引等に関する被害救済です。
この分野は、近年、法律も改正されましたが、投資家保護という面では十分ではありません。実務でも、名のある金融機関が、顧客に対し、不十分な説明しか行わないというケースも決して珍しくありません。現実の被害救済と立法による手当の両方が必要だと感じています。
ページを見ている方へのメッセージ
一般市民にとって、弁護士との関わり合いを持つのは、通常、一生に一度あるかないかでしょうし、弁護士に相談するということは、思い悩んだ末にどうしたらいいかわからずという場合が多いと思います。
そのような中、自分が弁護士として関わったことで依頼者から良かったと言われたときは、喜びを感じます。