弁護士ドットコムとデジタルガレージ、りそな銀行と個人向けローン業務の効率化を実現するスマートコントラクトシステムの実証実験を開始〜ビットコインのブロックチェーンを活用した国内初となるスマートコントラクトシステムを開発〜

　弁護士ドットコム株式会社（東証マザーズ 6027、本社：東京都港区、代表取締役社長：内田 陽介、以下：弁護士ドットコム）と株式会社デジタルガレージ（東証一部 4819、本社：東京都渋谷区、代表取締役 兼 社長執行役員グループCEO：林 郁、以下：DG）は、株式会社りそな銀行（本社：大阪府大阪市中央区、社長：東 和浩、以下：りそな銀行）と、個人向けローン業務の効率化を実現するスマートコントラクト＊システムの実証実験を開始しました。今回の実証実験は、仮想通貨ビットコインに用いられているブロックチェーン技術を活用した国内初の開発事例となります。

　弁護士ドットコムは社内の研究開発組織「リーガルテックラボ」を通じ、ブロックチェーン技術の開発および実用化に取り組んでいます。今回のスマートコントラクトシステムの対象業務には、「自動借入」「自動返済」などの取引が含まれ、顧客と銀行間で予め設定された条件に基づいて、取引および付随する手続きが自動執行されるシステムを構築します。実証実験において構築されたスマートコントラクトシステムの有用性、課題などを検証し、業務の効率化と顧客利便性の向上を目的として、将来的に実用化することを目指します。

　従来の個人向けローン業務のオペレーション（契約内容の確認、契約内容に基づく取引の執行、途上管理など）は人の手が多く介在していましたが、本スマートコントラクトシステムの実現により、オペレーションの自動化、それに伴うコスト削減効果、また手続きの自動執行による業務効率の大幅な向上が期待されます。スマートコントラクトを実装することでシームレスな取引を実現し、顧客利便性の高い商品・サービスの提供を展望しています。

　今回の実証実験では、 ブロックチェーン技術のコア技術者を多数擁しているBlockstream社（本社：カナダ・モントリオール、CEO：Adam Back）が提供する、ビットコインを基軸としたブロックチェーン技術「Elements（エレメンツ）」＊を基盤技術として採用しています。
　弁護士ドットコムおよびDG Labは、セキュリティと安定性で最も厳しい要件が求められる銀行業務システムにおいて、ビットコインをベースとするブロックチェーン技術は、その実績から他のブロックチェーン技術と比べ大きな優位性を持つと考えています。
　銀行における基幹事業の一つである「個人向けローン」を対象とする本実証実験の結果を受けて、将来的に銀行内の様々な契約関連業務の大幅な効率化を実現していく予定です。なお、実証実験段階においてはプライベート型、あるいはコンソーシアム型のブロックチェーンネットワークとしての構築を行いますが、将来的には、ブロックチェーンの本来のメリットを引き出す構成である、パブリック型ブロックチェーンでの展開を見据えています。

　実証実験に参画する３社の役割としては、弁護士ドットコム・DGはブロックチェーン技術の開発・運用を、弁護士ドットコムは契約内容の精査と実用面における法的観点からの検討・検証を、りそな銀行はこれまでの個人向けローン業務の知見を元にした検証・提言及びスマートコントラクトを前提とした業務設計を担います。

＊スマートコントラクト
金融商品等の契約及びその執行を自動化すること。ブロックチェーン技術を活用することで、契約内容の改ざんが難しくなり、高いセキュリティレベルを実現する。

＊Elements（エレメンツ）
Elementsは、Blockstream社が開発するブロックチェーン技術。数あるブロックチェーン技術を活用したプラットフォームの中でも、いまだ一度も破られておらず、高いセキュリティレベルを誇るビットコインのパブリック・ブロックチェーン技術を、より広範囲な用途で活用できるようカスタマイズしたもの。1つのブロックチェーンで複数種類の仮想通貨や電子マネー/ポイントなどを扱うことができる他、プライバシーを守る高度な暗号技術、サイドチェーンと呼ばれる複数のブロックチェーン同士を結合させる機能、また独自のコンセンサス（合意形成）アルゴリズムなどが搭載されており、パブリック・ブロックチェーンの技術がビットコイン以外のサービスや事業領域で活用されるための様々な課題やハードルを解決する画期的な技術であり、ビットコインの初期からの開発メンバーを多数擁するBlockstream社ならではの高い技術力によってその品質が支えられている。