【自社調査】“チャット型AI”に関する弁護士への調査
~7割を超える弁護士がAI導入に期待と回答~
Press Release
昨年の11月にChatGPTがローンチされて以来、世界で様々な議論を起こしているチャット型AI。日本でも多くの企業がChatGPTを活用したサービスをローンチするなど日々話題となっています。
こうした中で、弁護士ドットコム株式会社(東京都港区、代表取締役社長:元榮太一郎)は、弁護士ドットコムの登録弁護士146名を対象に、“チャット型AIツールの利用”に関する調査を行いました。
■ 調査概要
調査機関:自社調査(弁護士ドットコムの登録弁護士を対象)
調査方法:弁護士ドットコムの登録弁護士を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:弁護士ドットコムの登録弁護士で回答が得られた146名
調査期間:2023年4月4日〜4月9日
【調査結果サマリー】
利用実態:弁護士の約3割がChatGPTを利用
期待感:7割を超える弁護士がAI導入に期待と回答
懸念と期待:業務利用は期待と不安が表裏一体
①弁護士の約3割がChatGPTを利用
ChatGPTの利用状況について尋ねたところ、「知っているが未使用」が39.7%と一番高く、「業務・私的に活用」「私的に活用」と活用自体したことがあるは28.8%という結果となりました。
また、具体的な使い方として、以下のような例が寄せられました(抜粋)。
・メール文案作成
・法律相談の回答の概要の作成
・契約条項の確認 込み入った事案の類似判例の調査
・音声の文字起こし。必要書類のリスト化、関連判例の抽出
・一般論(非法律事項、法律事項問わず)の概略の説明
②7割を超える弁護士がAI導入に期待と回答
弁護士業務にAIが導入される期待感と不安感について尋ねたところ、「やや期待している」「期待している」を合わせると73.9%という結果となりました。
③業務利用は期待と不安が表裏一体
また、具体的に弁護士業務にAIが導入される期待と不安についてを尋ねたところ、下記結果が得られました。
期待の1位は「判例などの調査」、2位「依頼者・相談者らからの聞き取りの文字起こしや要点整理」と作業効率への期待が窺えた一方で、不安の1位は「事実関係や法律上の間違い」、2位「守秘義務や情報漏洩」とこちらも弁護士業務に関するものが上位を締めています。
④弁護士からの意見
AIと弁護士業務についての意見を尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられました(抜粋)。
・法的見解よりも、事務負担の軽減に期待している
・精度が低いので現時点では実務に使えない。今後の発展に期待する
・書面作成の時間短縮に期待。聞き取るべき事実、成果物の審査など、弁護士のやるべきことは十分残ると考えている。AIは仕事を奪う存在ではないと思う
・過剰な負担軽減のためにもAIの利用は望まれる一方で、セキュリティや責任の所在その他法律上の問題が生じる可能性等のリスクがあるため、範囲の限定や安心できるサービスが提供されるか動向を見守りたい
・AIによる間違った回答を一般人が信じてしまい、トラブルが多発する可能性が懸念される
・現時点では、AIが参照しているデータが不正確なものであったり、誤った回答がなされるため、そのまま業務には用いることができないが、論文や判例データを参照するようになったら業務に十分使用可能になると思う。一方で、AIによる法律相談サービス等が始まる可能性もあり、顧客流出の懸念もある
・相談/交渉/裁判のうち、相談の大部分をAIで代替することで、弁護士業務がより専門的なものにできるのではないか、市民の法的素養が向上するのではないかという期待がある。判例検索/文献検索、依頼者/相手方に対する送付書の作成で仕事効率の向上を図れるようにしたい
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