Interview

クライアントと自社の価値を最大化したい。弁コムを支える、少数精鋭の広告チームの仕事

Other

  • #広告事業
  • #メディア
  • #マーケティング

クライアントと自社の価値を最大化したい。弁コムを支える、少数精鋭の広告チームの仕事

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BUSINESS LAWYERS(ビジネスロイヤーズ)、UNITIS(ユニティス)など、企業の管理部門向けに複数のメディアを運営する弁護士ドットコム。一般的なWebメディア運営企業と同様に、弁コムにも広告商品を扱う部署が存在します。まだ事業部としての歴史が浅く、少人数のチームではありますが、2023年にはわずか数名のメンバーで企画・運営した大型カンファレンスの集客が3000人を記録するという実績も。広告事業を推進する部署は、どんな組織で何をめざしているのか、ビジネスメディア&マーケティング事業部の飯田綾と中西舞に聞きました。

【Profile】
飯田綾(ビジネスメディア&マーケティング事業部 部長)
大学卒業後、保険会社に入社し、損害保険の営業を担当。その後、法曹向け書籍・雑誌の出版社に転職し、広告事業に携わる。2017年、弁護士ドットコムに入社。BUSINESS LAWYERSの広告担当として、広告事業の立ち上げに従事。その後弁護士ドットコム、税理士ドットコムなど複数のメディアの広告を取り扱いキャリアを積み、2024年4月より現職。

中西舞(ビジネスメディア&マーケティング事業部 企画制作チーム)
大学卒業後に入社した会社で、歯科医師向けのイベントの企画・運営を担当。その後、歯科医師向けプラットフォームの運営企業に転職し、セミナーの企画・運営、ニュース記事の執筆などを幅広く手がける。2023年、弁護士ドットコムに入社。現在はBUSINESS LAWYERSをはじめ、弁護士ドットコムやUNITISなど複数のメディアの広告制作やタイアップセミナー、カンファレンスなど大型イベントの企画制作を担当する。

3000人を集めた大型AIカンファレンス「Gen AI EXPO」

飯田綾(ビジネスメディア&マーケティング事業部 部長)

──まずは、ビジネスメディア&マーケティング事業部の概要と、飯田さん、中西さんそれぞれの役割を教えてください。

飯田:ビジネスメディア&マーケティング事業部は、ひとことで言うと「広告」を扱う事業部です。現在はクライアントである広告主のパートナーとなるマーケティング支援チーム、広告コンテンツをつくる企画制作チーム、そしてメディア編集チームの3つのチームに分かれて業務にあたっています。私自身は部長として、3つのチームを統括しています。

──弁護士ドットコムは複数のメディアを運営していますが、ビジネスメディア&マーケティング事業部ではどのメディアの広告を取り扱っているのでしょうか。

飯田:法務向けメディアの「BUSINESS LAWYERS」と、情報システム・セキュリティ向けの新しいメディア「UNITIS」を中心に、「弁護士ドットコム」「税理士ドットコム」など社内の他事業部が運営するメディアについても、クライアントの課題に合わせてご提案しています。

──中西さんはどのチームにいらっしゃるのでしょう。

中西:企画制作チームです。チームの中で、記事広告、メルマガ広告、イベント制作などと商品ごとに担当が分かれていて、私は大型カンファレンスの制作と、クライアントと自社メディアが共催するタイアップセミナーの企画運営、それに記事広告の制作も担当しています。

──昨年は初めての大型AIカンファレンスとして「Gen AI EXPO」を開催したと伺いました。反響はいかがでしたか?

中西:昨年の「Gen AI EXPO」はとっても大盛況でした!昨年は飯田さんが制作オーナーを務めて、初回にもかかわらず3000人を集客したんです。

飯田:「Gen AI EXPO」はもともと社長の元榮(もとえ)が発案した企画で、それを初めてかたちにしたのが昨年の第1回ですね。結果的に集客できたからよかったものの、なにしろ前例がないイベントだったので、開催までの準備は完全に手探り状態でした。

「3000人の方に参加いただけるイベントにしよう」という高い目標を立て、達成するために動くのは精神的につらいものがありましたし、どんなに万全を期して準備したとしても、実際の集客数は蓋を開けるまでわからず、予期せぬトラブルが起こるリスクもつねにあります。

開催当日までずっと気を張っていたからか、カンファレンスが無事終わったあとに熱を出しました(笑)。私が今年から部長という立場になったこともあり、今後検討している大型カンファレンスの制作オーナーは中西さんに務めてもらっています。自分も経験したのでわかるのですが、中西さんも大きなプレッシャーを感じているだろうなと。

中西:おっしゃるとおりです(笑)。

飯田:そのぶん終わったときの達成感は大きいはずなので、がんばってほしいです。

──飯田さんから見て、中西さんのイベント制作オーナーとしての仕事ぶりはいかがですか?

飯田:中西さんは「来場者やユーザーにとって価値あるものを提供するにはどうすればいいか」という視点を持って、イベント制作や広告制作ができる人なんですね。

広告事業という観点では、極端な話、クライアントである広告主の満足さえ得られたらOKという考え方もあると思います。しかし私たちはそうではなく、情報を受け取るユーザーにきちんとメリットを感じていただける広告制作を重視しています。そして、結果としてそれがクライアントへの提供価値UPに繋がると考えています。中西さんは率先してそれを体現してくれているなと、いつも感心して仕事ぶりを拝見しています。

中西:ありがとうございます、うれしいです。

──逆に、中西さんから見て飯田さんはどんな上司ですか?

中西舞(ビジネスメディア&マーケティング事業部 企画制作チーム)

中西:部下が何か提案したら、まずは「いいね」と肯定して、信頼して任せてくれる。一方で、困った事態になったときはかならずフォローに入り、問題が解決するまで寄り添ってくれる。本当に頼れる上司です。

飯田:ありがとうございます(笑)。

メディア運営に関わることのおもしろさ

──そのほか、事業部で注力してしているプロジェクトがあれば教えてください。

飯田:基本的にはどの商材にも均等に力を注いでいますが、あえて言えば情シス・セキュリティ向けの新メディア「UNITIS」でしょうか。2023年の5月にローンチしたばかりなので、現在はユーザー数を増やし、メディアを大きくしていく仕組みを考えるフェーズです。

メディア編集チームのみなさんががんばって生み出した良い記事をより多くの方に届けるため、今年の4月からは私たち広告担当も参加して、セミナーやカンファレンスの開催など、ユーザーを増やすための施策をいろいろと講じているところです。

──情シス・セキュリティ向けのメディアということは、「UNITIS」は御社にとって初めてのリーガル領域以外の情報を扱うメディアになりますね。

飯田:そういうことになります。いま弁護士ドットコムは「プロフェッショナルテック」を掲げ、リーガル領域以外の専門知も提供する企業になろうとしています。「UNITIS」はまさにその第一歩になりうる取り組みなのかなと。

とはいえ会社からプレッシャーをかけられているといったことはまったくないのですが、個人的には会社が新しい領域にチャレンジするならば、全力でサポートしたいという気持ちがあります。それに加え、新しい領域の新しいメディアに関わること自体におもしろさもあって。

たとえば先日、「UNITIS」編集部と一緒にイベントを実施したところ、メディアの知名度はまだ小さいにもかかわらず、思っていた以上に多くの企業から協賛をいただいたんですね。それだけ多くの方が期待してくださっているのだと実感し、うれしくなりました。

なぜ多くの方が期待を寄せてくれるかというと、近年、日本でもセキュリティインシデントが頻発しているからです。どの企業にとっても他人事ではなく、みなさん困っていらっしゃる。需要が高いぶん競合の多い分野ではありますが、そんな中でどれだけ弁護士ドットコムならではの独自性を発揮しつつ、良質な情報を届けられるか。大きな挑戦ができることにワクワクしています。

中西:UNITISで初めて実施した第1回目のセミナーは200人くらいの方にお申し込みいただきました。飯田さんの言うとおり、注目度の高い分野ですから、適切な場所で適切な情報を発信すれば、多くの方に来ていただけるんですね。そうして少しずつ新しいメディアを前進させていることを実感できるのが楽しいです。

顧客のパートナーであり、自社のマーケティングも支援できる

──最後に、今後の目標や展望をお聞かせください。

飯田:たとえば私はBUSINESS LAWYERSの広告を長年担当していますが、BUSINESS LAWYERSってもともとは広告掲載を想定したメディアではなかったんですね。でも、あれだけ多くの会員を抱えているメディアですから、「たぶん広告枠が売れると思います」と提案し、売らせてもらうようになった経緯があるんです。

それと同じような、まだ誰も価値に気づいていない資産が社内にはたくさんあるはずで。そんな資産を掘り出し、価値を最大化したうえで世の中に発信していくのも私たちのミッションのひとつにしていきたいと考えています。

中西:今年の春に新設された「ビジネスメディア&マーケティング事業部」という事業部名が、その姿勢を表していますよね。それ以前、「広告事業部」という名前だったときは、メディアの広告枠を売らせてもらっているという意識がありました。した。それが「ビジネスメディア&マーケティング事業部」になったことで、社外だけでなく社内の資産の価値をも高めていく存在として仕事をさせてもらえるようになったのかなと。

じつはつい先日も、弁護士ドットコムニュースをつくっているチームのメンバーと共同の勉強会があり、いろいろなお話しをするなかで、「自分たちがつくっているニュースにはそんなに大きな価値があったのか」と再認識してもらえる瞬間があったんです。

そんなふうに、当事者が気づいていないサービスやプロダクトの価値を社内外に広げていき、ほかの事業部の成長を加速させるような存在になれればうれしいです。

飯田:私たちは広告事業を展開しているのでクライアントの良きパートナーであることは大前提として、今期からは社内のマーケティングへの寄与も目標のひとつに掲げています。今後はいろいろなサービスやプロダクトをつくる事業部に私たちが横から入って、小さなプロジェクトを立ち上げるとか、そういったことから始めていきたいですね。

中西:事業部横断的な部署って、私たちのほかにあまりないので。いろいろな事業部と関わりがあるからこそ、「この事業部とこの事業部をコラボさせたらおもしろい」「こうしたらもっと大きなことができそう」みたいな発想を得ることができる。それが私たちの部署の強みだと思います。

飯田:そのほかの目標としては、日々向き合っているメディアを成長させること、そしてカンファレンスをもっと多くの方にお越しいただけるようにすること。ビジネスカンファレンスの主催者としては、今後50,000人くらいの規模のイベントをやってみたいですね。