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2014年06月12日 14時15分

メーカー名がわからないコンビニの「プライベートブランド食品」 それでいいのか?

メーカー名がわからないコンビニの「プライベートブランド食品」 それでいいのか?

コンビニやスーパーなとで、プライベート・ブランド(PB)食品を見かける機会が増えている。PBとは、コンビニなど流通企業が商品を企画し、メーカーではなく流通側のブランドで販売することだ。宣伝・販促費が少なくて済む分、メーカー固有のナショナル・ブランド(NB)より割安になるのが特徴で、ヒットも相次いでいる。

ところが、昨年末にマルハニチロホールディングス傘下の食品メーカー「アクリフーズ」の冷凍食品に農薬が混入された事件を受け、「その食品を実際に製造したのは誰か」が、パッケージを見てもわからないという点が問題視されるようになった。

PB食品は、アルファベットと数字などを組み合わせた「製造所固有記号」を商品に明記すれば、具体的な製造者名は省略できるというルール。それだと、今回の事件のような際には、「固有記号だけでは、消費者が問題の商品と気付かず食べてしまうおそれがある」という声が、消費者団体などからあがっているのだ。

消費者庁は、今後はPB食品にも、製造者名と工場所在地の記載を原則として義務付ける方針を固めた。今後は消費者委員会などで話し合い、来年には法改正が行われる見通しだという。今回のような法改正の動きをどうみるべきなのだろうか。企業の危機管理にくわしい五味祐子弁護士に聞いた。

●PB食品は「例外」となっている

「どこの誰が作った食品なのかは、消費者にとって、『食べてよいか』を確認し、判断するための重要な情報です。

そのため、一般の加工食品のパッケージには、製造者名と工場所在地を表示しなければならない、と義務づけられています。

しかし、PB食品は、その例外として、販売者の責任のもとで、事前に届け出た『製造所固有記号』を表示することで、製造者と工場所在地の表示を省略することができます」

パッケージに固有記号が書いてあれば、業者なら判別や追跡をすることはできる。しかし、消費者がパッと見ただけでは、どこで製造された食品かわからないわけだ。

●食品パッケージへの製造者名表示が「最も容易で有効」

「今回のアクリフーズの事件は、特定の工場での製造工程で食品に農薬が混入されたものです。回収対象商食品も販売者も多数でしたので、事件発覚当初に事業者側が出した告知や行政のリリースは、どのPB食品が回収対象なのか、わかりにくいものでした。

そんなとき、消費者が自ら危険を回避するためには、製造者名と工場をすぐに確認できれば、『食べてよいか』を判断できます。しかし、製造者名と工場の表示がないPB食品を購入した消費者は、判断を誤って食べてしまうおそれがあります。

このように、消費者自身が危険を回避するために判断する必要がある状況では、食品パッケージへの製造者名と工場の表示が、最も容易で有効な情報提供となります」

そうすると、やはりルールそのものを変更すべき?

五味弁護士は「そうですね。PB食品については、製造者名等の表示を原則義務化するルールへの見直しが必要です。もし表示の省略を許可するとしても、それは消費者が容易に製造者名等の情報を入手できる体制整備を条件とするべきでしょう」と結論付けていた。

(弁護士ドットコムニュース)

五味 祐子(ごみ・ゆうこ)弁護士
第二東京弁護士会所属。国広総合法律事務所 パートナー。
訴訟、コンプライアンス、リスク管理、危機管理が専門。内部通報対応、社内調査実務の経験が豊富。消費者などステークホルダーの視点を入れた企業経営・活動をサポートする。
所在エリア:
  1. 東京
  2. 千代田区
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