2015年08月17日 11時42分

中高生カップルの「キス動画」公開が流行・・・「炎上」した際にさらされるリスクも

中高生カップルの「キス動画」公開が流行・・・「炎上」した際にさらされるリスクも
写真はイメージ

中高生を中心に、カップルの動画を投稿するスマホアプリ「MixChannel」が人気だ。月間動画再生数は5億4000万回を超えている。誕生日や交際開始日などを記念して、写真や動画、音楽を組み合わせた動画が多数投稿されており、「キス動画」を公開しているものも少なくない。

このアプリに対して、日経ウーマンオンラインでは、「後悔しても遅い…女子中高生に流行の『キス動画』の取り返しがつかないリスクとは?」と題した記事を掲載していた。記事によると、同じクラスのクラスメイトに見つかって、嫌がらせを受けたケースもあるそうだ。

さらに、動画の多くはツイッターのアカウントが登録されており、実名やプロフィールが分かるものも多いようだ。このため、就職活動の際に発見されたり、将来別の相手と結婚することになった場合に、問題になる可能性があるという。

MixChannelで「キス動画」を公開することには、どんな法的リスクがあるのだろうか。清水陽平弁護士に聞いた。

●コピーが容易なため、リスクを排除しきれない

「まず、あり得る法的リスクについて指摘しましょう。キス動画を公開すると、自分だけでなく、キスの相手も誰か分かる状態にあるのではないかと思います。キス動画を公開することについて、キス相手の同意を得ているのならばよいのですが、そうでない場合、キス相手のプライバシーを侵害しているということができます。

プライバシー侵害があれば、損害賠償請求や削除請求を受けるリスクがあります。

もちろん、交際中の2人なので、そこまで大事にはならないだろうと思いますが、このような法的リスクがあることは認識しておくべきです」

ほかには、どのようなことが考えられるのだろうか。

「必ずしも法的リスクというわけではないですが、ネットに公開するということ自体に伴うリスクがあります。

ネットに上げてしまったものは、コピーが容易で、拡散していってしまうというリスクがあります。公開した当時はよいかもしれませんが、その後別れてしまったときに削除したいと思っても、削除しきれるかどうかは分かりません。

また、動画が勝手に保存されて、自分の意に沿わない形で利用されたり、加工されてしまうかもしれません。たとえば、何かの機会に自分がネット上で炎上してしまった場合、動画を貼り付けられたり、動画をキャプチャした画像を掲載されるという可能性もあります。プロフィール情報から個人が特定されてしまえば、誰が炎上したのかが分かる形で晒され続けるリスクがあります。

さらに、就職活動の際に、採用担当者が応募者のSNSをチェックすることも増えてきているようですが、私的な動画等を全世界に晒すようなことをしている人は、採用しても同じようなことを無邪気にしそうだということで、採用を敬遠されるおそれもあります。

このリスクは、動画等のコピーが容易という問題がある以上、元を削除したからといって排除し切れないリスクです。私的なものは私的なものとして扱うべきということを、学生のうちからきちんと知る必要があるでしょうね」

清水弁護士はこのように話していた。

(弁護士ドットコムニュース)

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清水 陽平弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、Twitter、Facebookに対する開示請求でともに日本第1号事案を担当し、2018年3月、Instagramに対する開示請求の日本第1号事案も担当。2016年12月12日「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第2版(弘文堂)」、2017年1月18日「企業を守る ネット炎上対応の実務(学陽書房)」を出版。
事務所URL:http://www.alcien.jp
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