2012年06月13日 14時42分

2ちゃんねるによるまとめサイトへの規制は法的な根拠があるか

2ちゃんねるによるまとめサイトへの規制は法的な根拠があるか

6月4日、国内最大級のインターネット総合掲示板サイト「2ちゃんねる」は、同サイトに投稿されたコメントなどを記事形式に編集して掲載する「2ちゃんねるまとめサイト(以下まとめサイト)」と呼ばれるサイトのうち、一部のサイトに対して2ちゃんねるからの転載を禁止する声明を発表した。

禁止対象として指定された各まとめサイトは2ちゃんねるからの転載を止めることをそれぞれ表明したが、はたして今回の2ちゃんねるの規制は法的な根拠が認められるものなのだろうか。ネットトラブルに詳しい清水陽平弁護士の解説をもとに考察したい。

まず、2ちゃんねるでは投稿された内容に関する著作権は2ちゃんねるに帰属すると表記しているが、この場合すべてのまとめサイトが著作権を侵害していると解釈することも可能になる。まとめサイトが2ちゃんねるの投稿内容を転載することは違法なのだろうか。

清水弁護士によると、「2ちゃんねるのトップページには、『自由利用マーク』が付されています。自由利用マークというのは、自分の著作物を他人に自由に使ってもらってよいと考える場合に、その意思を表示するためのものです。したがって、2ちゃんねるに書き込まれたものをそのままコピーしたまとめサイトを運営することは、著作権侵害とはなりません。しかし、2ちゃんねるに投稿されたものを改変した場合には、2ちゃんねるに対する著作権侵害となり得ます。」

2ちゃんねるから転載すること自体は違法な行為ではないとすると、まとめサイトの特徴である、一部のコメントを任意に抽出して1つの記事のように再編集することについてはどうなのだろうか。

「再編集することは改変といえるものですから、著作権侵害となる余地はあります。しかし、個々の書き込みについてそれぞれ著作権が生じるということになるため、その点に着目すれば、書き込み自体を改変しなければ著作権侵害とならないということになります。再編集の仕方次第ということになるのではないでしょうか。」

それでは、まとめサイトには2ちゃんねるの規制は不当だとして争う余地はあるのだろうか。

「2ちゃんねる側に著作権があるという立てつけになっており、著作権者の許諾を得て利用できるというのが原則的な形である以上、規制が不当だということは難しいでしょうね。ただ、今回の規制は、書き込みを恣意的に編集したり、書き込みをねつ造しているケースに対処するためのもののようですから、まとめサイトを直ちに違法であるとする規制ではないように思われます。」

現時点で2ちゃんねるとまとめサイトの間で法的な根拠についての争いが起きているわけではなく、清水弁護士のいう通り2ちゃんねるには全てのまとめサイトを否定する意図はなさそうだが、今回の2ちゃんねるの規制には法的な根拠があるといえそうだ。

2ちゃんねるが外部サイトへの規制を実施するのは珍しいが、今回の規制で禁止対象として指定された以外のまとめサイトにとっても、今後の運営には一定の配慮が求められることになった。

(弁護士ドットコムニュース)

取材協力弁護士

清水 陽平弁護士
インターネット上で行われる誹謗中傷の削除、投稿者の特定について注力しており、Twitter、Facebookに対する開示請求でともに日本第1号事案を担当し、2018年3月、Instagramに対する開示請求の日本第1号事案も担当。2016年12月12日「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第2版(弘文堂)」、2017年1月18日「企業を守る ネット炎上対応の実務(学陽書房)」を出版。
事務所URL:http://www.alcien.jp

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