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「JKビジネス」のグレーゾーン「18歳女子高生」 補導対象にするのは問題ない?
「女子高生」であることを売りにした「JK産業」が問題視されている

「JKビジネス」のグレーゾーン「18歳女子高生」 補導対象にするのは問題ない?

女子高生(JK)による「リフレ」(簡易マッサージ)や「お散歩」などの密着サービスを売りにした「JKビジネス」。風俗店ではないものの、女子高生による過激なサービスが問題になるケースがめだっている。

これまで警視庁は、JKビジネスで働く女子高生について、「18歳未満」の場合は補導の対象としてきた。つまり、女子高生でも18歳になっていれば補導されず、「18歳JK」はグレーゾーンとされてきた。しかし来年からは「18歳になった高校3年生」も、補導対象に含める方針なのだと報じられた。

「18禁」という言葉が一般化しているように、18歳になれば性や労働について、法令上のさまざまな制限がなくなるイメージがある。それにもかかわらず、18歳に達しているのに「女子高生」というだけで補導の対象になるというのは、おかしくないだろうか。なぜ「18歳JK」も補導されるのか。警察官僚・警視庁刑事としての経歴をもつ澤井康生弁護士に聞いた。

●もともと「20歳未満」は補導できる

「少年法と少年警察活動規則により、『20歳未満の不良行為少年』については、補導できることになっています。

不良少年とは、犯罪を犯したわけではないけれど、飲酒・喫煙・深夜徘徊などの不良行為をしている少年・少女をさします。

つまり、法律上は『20歳未満』の不良行為少年・少女であれば、高校生であろうとなかろうと補導することができるわけです」

もともと20歳未満であれば補導できるのに、運用上、18歳未満を対象としていたというわけだ。今回、高校生だけとはいえ、18歳にも運用を拡大した狙いはなんだろうか。

「これまで、JKビジネスに関与していた少女は、あくまで被害者として保護されるだけでした。しかし、保護するだけでは、実効性がありませんでした。

そこで、少女の就労自体を阻止するため、警視庁は2013年年4月から、18歳未満の少女が関与するJKビジネスを『不健全就労』として、補導対象に指定することにしたのです。

しかし、実際に運用してみるとJKビジネスで就労しているのは18歳の高校生がほとんどであり、18歳未満の者は多くないという事実が判明したのです。

そのため、やむなく補導対象を18歳の高校生にまで拡大することになったのです」

●法的に問題はない

「このように、もともと法律の規定では20歳未満を補導できるのに、運用で18歳までを対象としてきただけなので、法的には18歳の女子高生を補導対象としても問題ありません」

では、同じ18歳でも「女子高生」と「そうでない少女」を区別している点は、問題ないのだろうか。

「18歳のうち高校生だけを対象とするのは、18歳のうちJKビジネスで就労しているのが、現役の高校生だからです。

つまり、高校生でない者は補導の必要がないことからの結論であり、この点についても、法的には何ら問題はありません」

澤井弁護士はこのように分析していた。

(弁護士ドットコムニュース)

この記事は、公開日時点の情報や法律に基づいています。

プロフィール

澤井 康生
澤井 康生(さわい やすお)弁護士 秋法律事務所
警察官僚出身で警視庁刑事としての経験も有する。ファイナンスMBAを取得し、企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も歴任、公認不正検査士試験や金融コンプライアンスオフィサー1級試験にも合格、企業不祥事が起きた場合の第三者委員会の経験も豊富、その他各新聞での有識者コメント、テレビ・ラジオ等の出演も多く幅広い分野で活躍。陸上自衛隊予備自衛官(2等陸佐、中佐相当官)の資格も有する。現在、早稲田大学法学研究科博士後期課程在学中(刑事法専攻)。朝日新聞社ウェブサイトtelling「HELP ME 弁護士センセイ」連載。楽天証券ウェブサイト「トウシル」連載。毎月ラジオNIKKEIにもゲスト出演中。新宿区西早稲田の秋法律事務所のパートナー弁護士。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など。

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