受刑者が塀の中で描いた絵を一般投票によって表彰する「プリズンギャラリー」が開催されている。投票は2月28日までで、ネット上で誰でも参加できる。
主催者は「受刑者にとって自分の作品が社会の目に触れることで『社会との接点ができた』『自分は存在している』と感じられ、生きる励みになっている」と話す。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
●「絵や書を公開してほしい」受刑者の要望で実現
プリズンギャラリーは、受刑者らに本などを送る活動を続けている団体「ほんにかえるプロジェクト」が主催する。
団体と交流がある受刑者から「絵や書を公開してほしい」との要望が寄せられたことから2024年に第1回を開催。今回は2回目となる。
今年は、無期懲役など長期刑の受刑者を多く収容する千葉刑務所や徳島刑務所など、全国7つの刑務所で服役する男性10人から、計14点の作品が集まった。
応募された作品「It’s hot in here」(ほんにかえるプロジェクトのサイトより)
● 不自由な環境で工夫「重ね塗りでツヤが出る」
『It’s hot in here』と題する作品は、人気マンガ『ワンピース』のキャラクターがラーメンをすする姿を色鉛筆で色鮮やかに描写している。
作者は「重ね塗りすることでツヤが出て色の深みが増しますが、凄く時間がかかりました」とコメントを付けている。
また、アメリカの女優、マリリン・モンローを色鉛筆とシャーペンで描いた作品も出品されている。作者は「毎日12時間、土日はほぼ1日」を制作に費やし、締め切り直前に完成させたという。
応募された作品「ワンシーン」(ほんにかえるプロジェクトのサイトより)
そのほか、日本女子サッカーの選手の似顔絵や、長野県内の風景画、更生への思いを習字で表現した作品なども並ぶ。限られた時間や道具の中で、工夫を重ねながら仕上げられた様子がうかがえる。
● 投票は28日まで 1位には賞金3000円
投票は2月28日まで。特設ページから誰でも一票を投じることができ、作品に感想を書き込めるようになっている。
最多得票の受刑者には賞金3000円、2位〜5位には1000円が贈られる。
刑務作業の報奨金は1時間あたり7円〜56円程度とされており、この賞金は受刑者にとって決して小さな額ではない。

● 主催者「受刑者の生きる励みになっている」
プリズンギャラリーを主催するサユリさんは塀の中の実情についてこう語る。
「刑務所の中の人たち、とくに長期刑になるほど、社会との接点は薄れています。親族や友人からの便りも面会もなくなり、自分だけが刑務所に取り残され、長きにわたり反省と更生を強いられています」
そのうえで、作品を公開する意義を次のように説明した。
「受刑者の投稿を公開しているプリズンライターズでは、自身の投稿が社会の人の目に触れ、投稿を読んだ人たちのコメントや閲覧数などの反響が受刑者にはとても嬉しいもので、『社会との接点ができた』『自分は存在しているんだ』と思えるようで大変喜ばれています。
このプリズンギャラリーへ作品を応募した単調な刑期を過ごす方たちにとっては、期日までに作品を仕上げるという目標も楽しみの一つになっていて、生きる励みになっている様子が伝わってきます。彼らの作品に対して、社会の人たちからの感想や反響をいただけたらと願ってます」
「プリズンギャラリー」の投票ページはこちらから