スーパーに備えられている無料のポリ袋を大量に持ち帰る人は「ポリ袋ハンター」などと呼ばれている。
SNS上には、高齢の男性客が、スーパーの袋詰めで「ロールのポリ袋を大量に巻き巻きして袋に入れていた」という目撃情報も。
さらに、その妻と見られる女性が、別のサッカー台(袋詰めのときに使う台)から集めてきたポリ袋を男性客に渡していたという。
一度では使いきれないほどのポリ袋の「大量持ち帰り」は犯罪にあたらないのだろうか。坂口靖弁護士に聞いた。
●「窃盗の可能性も考えられる」
——大量に持ち帰る「ポリ袋ハンター」は罪に問われますか。
スーパーのポリ袋は通常無料ですが、大量に持ち帰れば「窃盗罪」にあたる可能性はあります。
窃盗とは、暴行・脅迫などの手段によらずに「占有者の意思に反して、その占有を取得すること」です。
スーパーの場合、ポリ袋の占有者は店です。その想定以上にポリ袋を持ち帰る行為は「占有者である店の意思に反して、その占有を取得している」と評価できると考えられます。
店側が「1人5枚まで」など、枚数を掲示しているような場合には、特に窃盗罪として処罰される可能性が高まります。
また、具体的な枚数が掲示されていなくても、常識的に大量の持ち帰りは、店の意思に反する行為だと理解されているはずです。したがって、この場合も、窃盗罪にあたる可能性は十分に考えられるでしょう。
——「大量」かどうか線引きできますか。
あくまで私見ではありますが、枚数制限の掲示がない場合、客が1回の買い物で数十枚持ち帰れば、「大量」と判断されるのではないでしょうか。2〜3枚程度であれば、罪に問われる可能性は低いと考えられます。
ただし、窃盗罪の成立の可能性があるケースでも、実際に逮捕や処罰まで受けるのは、何度も大量のポリ袋を持ち帰って、店側から再三注意されていたような場合などに限られると思います。
過去には、無料の氷(保存用)を十数キロ持ち帰ったとして、客が窃盗罪で逮捕されたニュースがありました。このときも、何度も注意を受けていたのに繰り返したという背景があったようです。