「早く結婚したほうがいいんじゃないか」――。東京都議会で塩村文夏議員に投げかけられた「セクハラヤジ」問題を受けて、さまざまな動きが起きている。署名サイト「change.org」では、ヤジをおこなった議員の処分を求めるキャンペーンが展開され、6月19日から23日までに9万1354人の署名が集まった。
この反響の大きさを次のアクションにつなげようと、キャンペーンの発起人たちが6月26日、東京・永田町の参議院議員会館で、女性の社会進出について考えるイベントを開いた。
イベントには約150人が参加。女性に対する差別問題や男性を巻き込む方法など、複数のテーマにわかれて、ワークショップがおこなわれた。参加者たちの議論をふまえ、「女性議員を増やしていくべき」「海外メディアの圧力を利用しよう」などのアクションプランがまとまった。
●「『悪いこと』という認識がないと自浄作用はない」
司会をつとめたジャーナリストの津田大介さんは、今回のヤジ発言について、「オリンピック開催が決まったあとの東京都議会で、あんな時代錯誤な発言が出ること自体が、日本の恥をさらしたと思う」とバッサリ。そのうえで、「日本の自浄作用が問われている」と指摘した。
「たとえば、『あなたの洋服、染みで汚れていますよ』と言っても、『汚れてます? 柄じゃないですか?』と答える人には自浄作用が働かない。『悪いことだ』という意識がなければ、自浄作用はそもそも働かない。
男女格差を解決するには、差別や偏見が『汚れ』だと認識していない人が多いということを認識したうえで、自浄作用の仕組みに変えていく必要がある」
津田さんはこのように説明したうえで、「今回のケースは、変わるきっかけになると思う。次につなげていくためのアクションプランを一人ひとりが考えて、実行してほしい」と訴えた。