山梨県の銘菓『桔梗信玄餅』は、やわらかいお餅と、たっぷりのきな粉、黒蜜の組み合わせが絶品。出張や旅行先のお土産としても定番で、同僚が会社に持ってくると皆が一つ、また一つと手に取っていく。
デスクでの作業中、パソコンにきな粉がかからないかヒヤヒヤすることもある。それでも、ビニール袋(風呂敷)をひもとき、ケースの中の餅ときな粉に黒蜜を注ぎ込んで食べる時間は至福そのものだ。
この桔梗信玄餅に「裏技」のような食べ方があるのはご存知だろうか。公式が「人目を気にしない場所で食べることをおすすめします」という「番外編」の食べ方とは。
●お客さんが開発した食べ方だった
桔梗信玄餅をつくる明治22年創業の「桔梗屋」(笛吹市)の公式サイトや動画でも、「番外編」として紹介されている食べ方はこうだ。
普段は捨ててしまうビニール袋を広げ、その上にお餅ときな粉をのせ、黒蜜をかけたら、ビニール袋に包んで揉む。黒蜜がなじみ、粉がちらかるようなことも少なくなる。
動画の公開は2013年4月26日なので、少なくとも10年前には存在した食べ方だろう。
桔梗屋は取材に「いつのことかは不明」としつつ、客から教わったことがきっかけだとした。
なお、公式サイトでは、「番外編」のほかに、「おすすめ」の食べ方が3つも紹介されている。
食べ方のおすすめのシチュエーションを聞いてみた。
「添えられたようじを使って、きな粉をお餅の下に入れ込むようにしてよく混ぜ黒蜜をかける食べ方は、テーブルがなく、お餅を容器から取り出しにくい場合に。お餅を風呂敷の上に取り出し、容器の中に出した黒蜜につける食べ方は、テーブルに置いて食べられる場合におすすめです」
肝心の「番外編」は「『番外編』は見た目が悪くなるため、自宅など人目を気にせずに食べられる場合をおすすめします」ということで、だいぶワイルドな食べ方だったようだ。
とはいえ、会社の同僚の前でもついつい番外編を披露したっていいじゃないか。
おそらく、このゴールデンウィーク期間中も買い求める人が増えることだろう。残念ながら、桔梗信玄餅の売上は公表していないが、1日の生産数は「12万個」にも上るという。
なお、『桔梗信玄餅』と『信玄餅』は別物だ。『桔梗信玄餅』の商標は桔梗屋が権利者となっている。『信玄餅』の商標は明治35年創業の「金精軒製菓」(山梨県北杜市)が取得している。