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体操・内村航平さん「モラハラ離婚」トラブルを週刊文春が報道…妻が望まない場合は?
内村航平さんオフィシャルサイト(http://uchimura-kohei.com/)

体操・内村航平さん「モラハラ離婚」トラブルを週刊文春が報道…妻が望まない場合は?

1月14日、引退会見を開いた体操の内村航平さんの離婚トラブルを「週刊文春」(1月27日号)が報じた。同誌によれば、内村選手はすでに妻に離婚の意思を伝えたものの、妻はそのことに戸惑いの姿勢をみせているようだ。

また、妻の手料理を前にUberEatsでピザや牛丼を頼んだり、妻が体調を崩しても冷淡な姿勢をとったりするなどのモラハラがあったとも指摘。内村さんの母との関係にも悩み、心身ともに不調な状態になっていたようだ。

同誌の取材に、妻は内村さんからのモラハラがあったと話している。現在、内村さんは自宅には帰らない状態となっており、妻には弁護士へ連絡するように伝えているようだ。このような場合、妻が離婚を望まないままでも、離婚は成立してしまうのか。理崎智英弁護士に聞いた。

●一方が望まなくても離婚は成立する?

ーー「週刊文春」の報道によれば、すでに内村さんは離婚にむけ代理人をたてているようです。今後はどうなるのでしょうか。

夫婦による話合いによる離婚が難しい場合、まずは、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、裁判所での話し合いになります。調停でも話し合いがつかなければ、訴訟を提起する必要があります。離婚請求が認められるためには、不貞(浮気)や暴力などの法律上の理由が必要になります。

民法770条1項が定める離婚理由は、(1)不貞行為 (2)悪意の遺棄 (3)生死が3年以上、明らかでないとき (4)配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき (5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき、の5つです。

ーー内村さん側の主張は不明ですが、すでに家を出てしまっていることからも、離婚の意思は固そうです。

「週刊文春」の報道によれば、不貞などの離婚理由はなさそうですので、今回のケースは「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)を検討することになるのでしょう。

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、夫婦関係が破たんして回復の見込みがない場合のことです。たとえば、配偶者からのひどいモラハラ、親族との不和、長期間の別居などが該当します。

一般的に未成熟の子どもがいる場合、離婚が認められるのに必要な別居期間は未成熟子がいない夫婦に比べて長くなる傾向にあります。

ーー妻が内村さんのモラハラを告白していることは、離婚成立においてどのような影響を及ぼすのでしょうか?

離婚の請求を受けている側が、相手のモラハラを告白していること自体は、離婚要件の該当性の判断にあたり、そこまで重要視はされません。

もし今後、内村さんのモラハラを理由に、妻側も離婚を検討した場合には、夫婦関係が破たんして回復の見込みがないとして、「婚姻を継続し難い重大な事由」があると認められるでしょう。さらに、内村さんに対する慰謝料の請求が認められる可能性もあります。

プロフィール

理崎 智英
理崎 智英(りざき ともひで)弁護士 高島総合法律事務所
一橋大学法学部卒。平成22年弁護士登録。東京弁護士会所属。弁護士登録時から離婚・男女問題の案件を数多く手掛ける。

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