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2021年08月17日 21時35分

弁護士は本当に「異議あり」っていうの? 法廷に立つだけではない弁護士の仕事

弁護士は本当に「異議あり」っていうの? 法廷に立つだけではない弁護士の仕事

6月からスタートした西口竜司弁護士の連載コラム「熱血・西口弁護士のなんでやねん事件簿」。弁護士のあるある話から、実際にどうやって弁護士に相談すれば良いのかまで、弁護士を身近に感じてもらえるような内容をお届けします。

今回は西口弁護士に、弁護士のさまざまなキャリアについて答えてもらいました。

●弁護士は「エリート」なのか?

色々なところで「弁護士さんなんですね、凄い」、「お金持っているんでしょう」などと言われることがあります。

一部の方を除いて「そんなことはない」と言うと思います。私自身も何も凄いと思ったこともないですし、お金も特別持っていません。

私の周囲を見渡しても、もの凄い学歴や経歴の方が多数いますが、エリート意識を持っている方はほとんどいません。優秀だと思う先生ほど謙虚なイメージです。

ここで先生と書きましたが、昔から言われている通称みたいなものなので、気にしないで下さい。読者の皆さんも先生というと緊張すると思うので、〇〇さんと呼んで頂いても全然問題ありません。以下では、先生と書かせて頂きます。

●「異議あり」って本当にいうの?

さて、そんな弁護士の仕事ですが、どのような仕事があると思いますか。「異議あり」といった白熱シーンが展開される刑事事件を思い浮かべる方も多いかもしれません。

ちなみに「異議あり」という言葉については、滅多に聞くことはありませんが、ゼロでもありません。なぜ言わないかというと、民事事件だと相手方に代理人がいる場合、相手方に失礼だからです。

似たようなことを言うとしても、「あのー誘導がひどすぎません」という感じで柔らかく伝えます。あまりにもひどい場合、「異議あり」という場合もあります。

一方、刑事事件では結構異議を述べることがあります。味方の証人が検察官の尋問にあたふたしているような場合に戦略的に異議を言うようなこともあります。一呼吸置くためです。刑事事件では、六法を開いていることがあるのですが、だいたい異議に関する条文です。あまり格好よく言えませんが、「異議あり!誤導です」といった感じです。

他にも、CMで有名な借金の問題、離婚などの家族の問題がイメージしやすいでしょうか。ただこれらは弁護士の仕事のほんの一部で、実際には信じられないほど幅があります。弁護士法という法律自体が基本的に弁護士の仕事の範囲に制限をかけていないので、やろうと思えば、登記や特許の出願も可能です(やる人は少ないですが)。

少しだけ説明すると、弁護士の仕事は一般民事、刑事、その他に分類されます。一般民事とは、おおまかに離婚や相続、借金、交通事故、債権回収などのよくある分野をいいます。

ちなみに、よく「弁護士さんは六法全書覚えているんでしょう」「何でも知っているんでしょう」と言われることがあるのですが、六法を覚えていることもないですし、全ての法律に通じているわけでもありません。

●「四大法律事務所」「町弁」とは?

司法試験に合格し1年強の司法修習が終わると、裁判官、検察官、その他に分かれて就職します。その他と書いたのは、弁護士登録をせず、別の仕事に就くこともあるためです。

弁護士登録した場合、大きく分けると法律事務所に勤務する人と会社や役所で働く人(インハウス・ローヤーと呼ばれます)に分かれます。最近では、後者の方が増えています。

法律事務所といっても、大手もあれば、中小、公設事務所などもあります。大手事務所とは「四大法律事務所」と呼ばれるような大規模事務所で、会社に関する法律問題などを中心に扱うことになります。

他方、中小事務所は、いわゆる「町弁」と呼ばれており、先ほど述べた「一般民事」といわれるような、読者の皆様の身近にある問題を解決する法律事務所になります。

公設事務所等とは、日弁連が司法過疎解消のために設置した事務所、刑事専門で設立した事務所、法テラス等が挙げられます。

弁護士は、入所した事務所でキャリア形成がかなり変わってきます。大手事務所に入所した場合、会社法や知的財産法等の分野に精通することになり、外からみれば華やかな世界に入っていくことになります。イメージ的には海外ドラマの「SUITS」みたいな感じでしょうか。

一方で町弁になった場合、これは事務所によって色々で何ともいえません。先生のカラーによって全然違いますし、場合によって自分自身の力でキャリア形成をしていくことになります。

●西口弁護士の場合は…

私の場合、1年目はM&A業務を中心とする企業法務事務所に入所しました。その後、町弁事務所に入り、独立という流れになります。

弁護士にとっていつ独立するのかというのは非常に難しい問題です。私の場合、6年目で独立をしました。独立した場合、いきなり経営者になってしまい、色々なことを知っておかないといけなくなります。私も独立当初は大変でした。

自分ごとで恐縮ですが、開所3カ月間の新規事件はわずか2件でした。私の場合、郊外に事務所を開設したため、なかなか認知してもらえず苦戦を強いられました。そんな中、契約したのが弁護士ドットコムだったんです。当時は登録者数も今より少なくかなりお電話を頂き事件の受任をすることができました。本当に助かりました。

私が扱っている特殊な分野としましては、寺院に関する法律問題、民事信託といった特殊な家族に関する問題、商標権などの知的財産権に関する問題があります。

このような分野は司法試験では聞かれませんし、最初は全く分からない状態でしたが、勉強して実際の事件をこなしながら少しずつ分かってきたようなところです。新しい分野については、あまり競争相手がいないということもあり、遠方からのご依頼もあります。

なぜ寺院の分野を重点的に扱っているかというと、ある出会いがきっかけでした。

私が独立当初でまだまだ暇を持て余しているとき、ある僧侶の方からご連絡を頂きました。「寺院問題を扱う弁護士がいないのでどうですか」というお話しでした。私としては、経験もありませんでしたが「面白そうだ」という気持ちで安請け合いしたのです。

もちろん、世の中はそんなに甘くありません。知らない言葉や知らない作法の山で、ひたすら勉強の毎日でした。僧侶の方から色々と教えて頂き、試行錯誤している中、やっと何とかできるようになりました。

多くの弁護士が同じように出会った分野に対し、試行錯誤を重ねて専門性を高めていっているのです。結局は、出会いやご縁が大切だなと思う今日この頃です。  

取材協力弁護士

西口 竜司弁護士
1973年9月生まれ大阪府出身。法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。

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