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2021年06月11日 10時35分

セルフレジで「万引き」繰り返す女性、被害届が出ていないか不安な日々…確認はできる?

セルフレジで「万引き」繰り返す女性、被害届が出ていないか不安な日々…確認はできる?
画像はイメージです(つむぎ / PIXTA)

万引きをしてしまったという女性から、「被害届が出されているのかを知りたい」という相談が、弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者の女性は、行きつけのスーパーで、自分のスマホで商品を読み取り決済するアプリを利用し、買い物しています。何点かはスキャンせず、一部の商品のみ電子マネーで決済するという「万引き」を何回か繰り返していました。

ある日、万引きした後に店員に声をかけられることなく店を出ましたが、一人の警察官が女性の車の近くを歩いていました。それを見て女性は「今さらながら、ものすごく悪いことをしてしまったと反省しています」と打ち明けます。

「今はできるだけ早くお店に謝罪・弁済をしたい気持ちでいっぱい」とこぼす女性。店側は警察に被害届を出していたのか、これから警察から連絡が来るのか気がかりでいます。果たして、被害届が出されているか知るすべはあるのでしょうか。坂野真一弁護士に聞きました。

●被害届が出されているか確認はできない

——被害届が出されているかどうか、知るすべはあるのでしょうか。

被害届が提出されているかどうかを捜査機関に対して確認する手段はないと思われます。以下、説明していきます。

被害届に関しては、犯罪捜査規範61条で「警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない」と規定されています。

被害届は、犯罪捜査規範第2章「捜査の端緒」第1節「端緒の把握」の箇所に定められていることからしても、あくまで捜査のきっかけとしての意味しかなく、被害届が提出されても捜査が必ず開始されるわけではありません。この点で犯人の処罰を求める意思まで含まれる告訴(刑訴法230条以下)とは異なります。

そして、捜査を行うに際しては、被疑者その他の者の名誉を尊重する観点(刑事訴訟法196条・犯罪捜査規範9条等)や、証拠が隠滅されることを防ぐために秘密裏に行われなければならないとする、捜査密行の原則があるといわれています。さらに捜査関係者が公務員であれば、公務員の守秘義務(国家公務員法100条・地方公務員法34条)も及びます。

また、犯罪捜査規範10条の3では、捜査の経過について捜査機関から被害者に対する通知が定められていますが、加害者に対する通知規定はありません。

以上の点から、加害者側が、被害届の提出について捜査機関に問い合わせを行っても教えてもらえることはないだろうと思われます。

●お店に謝罪し、被害弁償を行う方が先

——万引きをした女性は、自ら出頭した方が良いのでしょうか。

女性は自ら警察に出頭した方が良いのか悩んでいるようですが、私個人の意見としては、まず被害を与えたお店に謝罪し、被害弁償を行う方が先ではないかと考えます。

謝罪、被害弁償を行って被害者であるお店に与えた被害を回復すれば、仮にお店の方から被害届が出されていても取り下げてもらえるかもしれませんし、お店が被害届を提出していない場合は提出せずに終わらせてもらえるかもしれないからです。

また仮に刑事裁判になったとしても、被害回復を自ら進んで行った事実は、情状面で有利に働くものと考えられるからです。

ご相談者にとって、万引きの癖がどうしてもやめられないのであれば、クレプトマニアである可能性も否定できません。しかし、クレプトマニアとの理由だけで、刑事裁判での減刑や無罪が得られるとは考えにくく、犯罪を重ねてしまった場合には、重い処罰も想定されます。

状況に依りますが、然るべき機関での治療を検討された方が良いかもしれませんね。

取材協力弁護士

坂野 真一弁護士
ウィン綜合法律事務所 代表弁護士。京都大学法学部卒。関西学院大学、同大学院法学研究科非常勤講師。著書(共著)「判例法理・経営判断原則」「判例法理・取締役の監視義務」(いずれも中央経済社)、「弁護士13人が伝えたいこと~32例の失敗と成功」(日本加除出版)等。近時は相続案件、火災保険金未払事件にも注力。

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