2013年05月28日 19時46分

ネットで盛り上がる「ウリ少女にも罰を」 弁護士はどう見る?

ネットで盛り上がる「ウリ少女にも罰を」 弁護士はどう見る?
大人が少女と援助交際をして、逮捕される事件が後を絶たない

いい年をした大人が少女と援助交際をして、逮捕される事件が後を絶たない。こんな事件を減らしたいというのは皆に共通する思いだろうが、その解決のため「売春をもちかける少女も罰するべきではないか」という議論がネットで盛り上がっている。

発端となったのは5月8日、東スポwebに掲載された神奈川県警OB・小川泰平氏の発言だ。小川氏は「問答無用に悪いのは男」としつつも、「分別のつかない小中学生なんかは別として、少女も罰せられるべき」と主張。「ウリ」をする少女は、一定期間、少年鑑別所や少年院に行かせるべきだという意見を明らかにした。

児童買春・児童ポルノ禁止法の「買春する側を処罰する」という趣旨とは正反対のこの発言が、ツイッターや2ちゃんねるで話題になり、「なんらかの罰には賛成」「なにいってんだ。警察は少女を保護するのが仕事だろ」など、賛否両論の声が挙がっている。日本の法律で、このような提言が受け入れられる余地はあるのだろうか。また、ウリ少女への罰則は児童買春の減少に役立つのだろうか。少年事件に強い坂野真一弁護士に聞いた。

●少女に刑罰を科すと「脅し」の材料を買春する側に与えることになる

「売春した少女側に刑罰を科すという発想には賛成できません。もしそんなことをすれば、買春した側が『売春には刑罰がある、俺が訴えればお前は刑務所行きだ』などと少女を脅し、さらに不当な要求を行う事態も十分想定されます。結果的に少年・少女へのダメージだけが増え、買春する側は逃げおおせるということになりかねません」

坂野弁護士はそう憂慮する。

――罰するべきは大人ということか?

「ええ。もともと成人は、未成熟である子供を保護する立場にあります。いくら子供に誘惑的な言辞や行動を弄されたとしても、大人が大人としての分別をもって行動すれば性交渉にまでは発展しないはずです」

――では「ウリ少女」自身については?

「自ら売春を持ちかけるいわゆる『ウリ少女』については、その態様にもよりますが、現行少年法でも『ぐ犯(少年法3条1項3号ニ)』として少年審判の対象とすることは可能です。したがって『ぐ犯』が認められれば、現行法でも保護観察等の保護処分決定がなされる可能性はあるでしょう」

毎週のように伝えられる児童買春事件。効果的な解決策のニーズが高まっているのは間違いない。だが、ウリ少女自身の処罰という方法は問題があるといえそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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坂野 真一弁護士
ウィン綜合法律事務所 代表弁護士。京都大学法学部卒。関西学院大学、同大学院法学研究科非常勤講師。著書(共著)「判例法理・経営判断原則」「判例法理・取締役の監視義務」(いずれも中央経済社)、「先生大変です!!」(EPIC社)、「弁護士13人が伝えたいこと~32例の失敗と成功」(日本加除出版)等。近時は相続案件、火災保険金未払事件にも注力。
事務所URL:http://www.win-law.jp/
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