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2013年10月17日 12時15分

自転車は「右側」を走ってはいけない! 「改正道交法」の注意すべきポイント

自転車は「右側」を走ってはいけない! 「改正道交法」の注意すべきポイント

自転車で「路側帯」を走る際のルールがもうすぐ変わる。これまで自転車は、道路の右端・左端どちらの路側帯も走行できたが、年内に施行される改正道路交通法で、通れる路側帯が「道路左端のもの」に限定されるのだ。

路側帯とは、歩道がない(側の)道路端に設置されている、主に歩行者が通るための部分。白い実線1~2本、もしくは実線と点線で、車道と区別されている。なお実線2本のものは「歩行者専用路側帯」と呼ばれ、自転車はもともと通行不可能だ。

大きな変更だが、身近な乗り物だけに周知徹底には時間もかかりそう。また「路側帯」と言っても、正確にはどの部分なのかあやふやな人もいるだろう。そこで、今回のルール変更が行われた背景や狙い、ルール変更についての注意点などを、道交法にくわしい平賀睦夫弁護士に聞いた。

●全交通事故の2割は「自転車関連事故」

「今年6月7日に成立し、同月14日に公布された改正道路交通法の主な内容は、次の4点です。

(1)一定の病気等に係る運転者対策の推進を図るための規定の整備

(2)悪質・危険運転者対策の推進に関する規定の整備

(3)自転車利用者対策の推進に関する規定の整備

(4)その他

このうち、自転車の路側帯通行のルールは、(3)に関するものです」

このように述べたうえで、平賀弁護士は次のように説明する。

「交通事故の発生件数と負傷者数は昨年まで8年連続で減少しています。死者数も12年連続で減少し、61年ぶりに4500人を下回ったと報告されています。しかし近年、全交通事故の約2割を自転車関連事故が占め、自転車事故者の約6割が何らかの法令違反を犯している状況にあり、憂慮すべき交通情勢であると指摘されています」

このような現実が今回の道交法改正につながっているというわけだ。

●「道路の右側の路側帯」は走行できなくなった

「自転車の利用者にはあまり意識されていませんが、自転車は道路交通法上、『自動車等と同じ車両』です。しかし自動車等と違い『免許を受けないで運転できる車両(軽車両)』であるために、自転車運転者には、運転のための技術や法令の知識に関する体系的な交通安全教育を受ける機会がありません。その結果、交通の危険を生じさせる行為や悪質な違反を繰り返す者が多発しているのが現実といえます」

そこで、今回の道交法改正で、自転車利用者への対策として、次の3点が盛り込まれることになった。

(1)自転車の運転による交通の危険を防止するための講習に関する規定

(2)自転車の検査等に関する規定

(3)路側帯の通行に関する規定

3番目の「路側帯の通行」に関する規定は、改正道交法の「第17条の2」で定められている。どんな内容なのだろうか。

「改正前の『第17条の2』は、単純に『軽車両は…路側帯…を通行することができる』と規定していました。ところが、改正法の『第17条の2』は、『道路の左側部分に設けられた路側帯』と制限を付けました。つまり、『道路の右側部分の路側帯』は通行できない、と改めたのです」

この変更により、罰則の適用も変わってくる可能性があるという。

「改正前でも、路側帯を通行するとき『歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない』(第17条の2第2項)との規定があり、これに違反すれば『2万円以下の罰金または科料』を科されることになっていました。

しかし今後は、もし右側部分の路側帯を通行すれば、通行区分(第8条)の違反となり、より重い『3月以下の懲役または5万円以下の罰金』が科される可能性があります」

自転車も「車両」の一種である以上、道路の左側を走行することが徹底されたということだろう。自転車に乗るときには、新しいルールを頭において、交通安全に注意したいものだ。

(弁護士ドットコムニュース)

平賀 睦夫弁護士
東京弁護士会所属。日弁連・人権擁護委員会、同・懲戒委員会各委員、最高裁判所司法研修所・刑事弁護教官等歴任。現在、(公財)日弁連交通事故相談センター評議員、(一財)自賠責保険・共済紛争処理機構監事等。
所在エリア:
  1. 東京
  2. 千代田区
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