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「奨学金」を返せない若者が増加、日弁連が「全国電話相談」を実施へ

「奨学金」を返せない若者が増加、日弁連が「全国電話相談」を実施へ

生活苦で学生時代に借りた奨学金の返済に困っている若者が増えているとして、日本弁護士連合会は2013年2月1日、奨学金の返済問題に関する電話相談を全国一斉に実施する。各都道府県の弁護士会が窓口となり、場合によっては債務整理の方法などを紹介する。

奨学金には、返還義務のない「給付型」と卒業後に返還義務が生じる「貸与型」の2種類があるが、文科省の資料によると全体の約9割が貸与型だとされる。貸与型の奨学金を利用する学生の数は年々増えており、奨学金事業を実施している日本学生支援機構のデータでは、この10年間で87万人から134万人へと1.5倍にふくらんでいる。

しかも無利子の貸与ではなく、有利子の奨学金を利用する学生が増えており、「奨学金が教育ローン化してしまっている」との指摘もあるようだ。その背景には、不景気の影響で経済的に余裕のない家庭が増え、利子付きの奨学金に頼らざるをえない現状があるとみられる。

こうしたなか、近ごろでは就職難やリストラなどで雇用体制が不安定になっていることも重なり、奨学金を返済できない若者が増えているというのだ 。

日弁連は、そのような奨学金返済で困っている人を対象に「全国一斉電話相談」を実施することにした。2月1日の午前10時から午後10時までの時間帯を中心に、奨学金返済についての相談を無料で受け付ける。共通のフリーダイヤル(0120・459・783)にかけると、最寄りの弁護士会の窓口につながる仕組みだ。

日弁連の担当者は、電話相談を実施する狙いについて「奨学金の返済については、相談先がわからずに苦しんでいる人が多く、奨学金制度の救済手段も極めて不十分といえます。法的支援によって解決の必要性を訴え、相談体制を充実させるきっかけにしたいと考えています」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)

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