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塾・予備校で「ブラックバイト」が増殖中? 「辞めたら賠償50万円」と脅された例も
ブラックバイトユニオンの坂倉昇平さんは教育業界のバイトの実態を語った

塾・予備校で「ブラックバイト」が増殖中? 「辞めたら賠償50万円」と脅された例も

「ブラック企業」に続いて、最近は「ブラックバイト」という言葉も耳にすることが増えてきた。学生バイト問題に取り組んでいる労働組合「ブラックバイトユニオン」によれば、「学業との両立が難しくなるほど働かされるアルバイト」のことだという。

そのブラックバイトユニオンが1月8日、東京・霞が関の厚生労働省で記者会見を開いた。塾や予備校、家庭教師など教育業界で働くアルバイトに向けた「電話相談」を、1月10日夜に実施すると発表したのだ。会見には、個別指導塾のブラックバイトで働いているという大学生も出席し、「実質的な時給は800円以下で、最低賃金以下だ」と訴えた。

●「辞めたい」と言ったら損害賠償50万円

ブラックバイトユニオンには、教育業界で働くアルバイトの人たちから「バイトを休めない」「辞めさせてもらえない」という相談が相次いでいるという。同ユニオンの坂倉昇平さん(写真)は「ここ1カ月間に50件ほどあった労働相談のうち、約10件が教育業界からの相談だった。受験シーズンで人手が足りず、バイトに多大な負担がかかっている」と、電話相談を考えた背景事情を説明した。

坂倉さんは「愛知県で家庭教師として働いていた学生が、会社に『辞めたい』と伝えたところ、社員が自宅までおしかけ、50万円の損害賠償を請求された。このケースについては、弁護士を通じて会社に内容証明を送り、会社からの脅迫に対応した」と話した。

また、ある個人経営の塾で働く学生バイトからは、「自分が休むと生徒たちの受験に影響が出るので、大学の単位がぎりぎりで進級が危うくても、責任を感じて休めない。でも塾長は、代わりのアルバイトを見つけてくれない」という相談が寄せられたという。

会見には東京都内の個別指導塾で働く大学3年生の女性も出席し、「塾講師は時給が高いと思っていたが、授業前後の準備・報告も含めると、時給が800円を切っている。最低賃金以下だ」と窮状を語っていた。

ブラックバイトユニオンの電話相談は、1月10日(土)18時~23時に実施する。電話番号は0120−987−215。ユニオンのスタッフが相談に応じ、ブラックバイトの上手な辞め方などをアドバイスする。

(弁護士ドットコムニュース)

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