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もしも「誤認逮捕」されてしまったら――「当番弁護士」を呼んで「黙秘」すべし
もし無実の罪で警察に拘束されたら、途方にくれてしまう人もいるだろう

もしも「誤認逮捕」されてしまったら――「当番弁護士」を呼んで「黙秘」すべし

大阪府警に恐喝容疑で逮捕された20代の女性が、事件に無関係だったとして、4月下旬に釈放されていたことがわかった。大阪府警の誤認逮捕は、去年の7月から9件が明らかになっている。

報道によると、今年1月、20代の男性が女に脅されて、携帯電話などの契約をさせられるという事件があった。その後、男性の母親が女の連絡先に電話したところ、誤認逮捕された女性の名前と住所を言ったのだという。しかし逮捕後、その女性は事件と関係ないことがわかり、釈放された。

もし万が一、この女性のように、身に覚えのない罪で逮捕されてしまったら、どうすればいいのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

●「当番弁護士制度」があることを覚えておこう

「身に覚えがない理由で逮捕されそうになったとしても、暴れて抵抗したり、走って逃げたりしないで、冷静に対応すべきです」

このように石井弁護士はアドバイスする。

「むやみやたらと暴れたりすれば、公務執行妨害罪など本当の犯罪が成立してしまうことになりかねません。また、焦って逃走などすれば、疑いを深めることにもなりえます」

不本意とはいえ、逮捕状があるのならば、それに従わざるをえないということだろう。では、逮捕されてしまったら、その後はどうしたらよいのか。

「逮捕後にまず、すべきなのは、当番弁護士を呼ぶことです。当番弁護士とは、各弁護士会の担当弁護士が逮捕された人に面会に行く制度です」

弁護士を呼ぶとなると、どれくらいの費用がかかるか、心配だが・・・。

「初回の面会は無料です。警察官または検察官に、『当番弁護士を呼んでください』と伝えれば、その地域の弁護士会に連絡がいき、弁護士が面会にきてくれます」

●当番弁護士は到着するまでに「すべきこと」

当番弁護士を呼んだら、どうすればいいのか。

「弁護士が来るまでの間は、捜査機関に対して、何も話さないほうがよいでしょう。被疑者には『黙秘権』が保障されているので、一言も話さなくても、何ら問題がありません」

当番弁護士が到着するまでは、「何も話さないで、ただ待っていろ」ということなのだろう。

「弁護士が面会に来たら、その後の取り調べにおいても黙秘を続けたほうがよいのか、あるいは嫌疑を晴らすために積極的に事情を説明したほうがよいのか、助言を受けることができます。

その際、初回の面会後の対応も相談できます。弁護士に弁護活動を依頼すべきかどうか、その場合の費用はどうなるかなど、自分が気になることを聞いてみるのがいいでしょう。

もしお金に余裕がなくて、弁護士に依頼するのがためらわれる場合は、そうした人を支援する制度もあるので、たずねてみてください」

警察がいつも正しい捜査をするとは限らない以上、「誤認逮捕」は誰の身にも降りかかるおそれがある。万が一、逮捕されてしまったときのために、「当番弁護士」の制度は頭に入れておいて損はないはずだ。

(弁護士ドットコムニュース)

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