医療過誤と交通事故がライフワーク〜「これが私の人生」依頼者が胸を張って生きられるようサポート
母を医療過誤で亡くした経験が原点
ーー弁護士を目指したきっかけや理由について教えてください。
一番大きな影響は、母親を医療過誤で亡くし、原告となって裁判をした経験です。担当してくれた弁護士がとても人間味のある先生で、当時20歳だった僕をしっかりと裁判に関わらせてくれて、僕自身が亡き母のために戦っていることを実感させてくれました。
この経験を通して、弁護士が1つの事件を解決することのすごさを目の当たりにしました。そして、人の人生を左右する仕事だと感じ、弁護士に憧れるようになりました。
ーーどんな学生時代を過ごしましたか?
学生時代は演劇やアルバイトに明け暮れていました。弁護士をあまり輩出しない大学の出身で、正直勉強もあまり好きではなかったです。でも、いわゆるエリートではないことや、勉強一筋ではなくいろいろな経験をしたことが、自分の個性であり強みでもあると思っています。
ーー注力分野とその分野に注力している理由について教えてください。
医療過誤と交通事故に注力しています。
医療過誤は、僕自身が当事者になった経験があるため、依頼者の気持ちが非常によくわかります。なぜ依頼者が病院の責任を追及したいのかといえば、それはお金目当てではなくて、「大切な人の無念を晴らしたい」とか、「実際何が問題だったのかを明らかにしたい」という思いなんです。
依頼者にとっては、人生にけじめや区切りをつけるという理由が大きいので、その気持ちに寄り添わなくては、という思いで注力しています。
交通事故は、ケガや障害など医学的な問題が発生するため、医療過誤と同じくらい力を入れています。この2つの分野は、僕にとってライフワークのような位置付けです。
ーー先生の強みはどういうところですか?
諦めないところだと思います。過去に携わった事件でも、諦めずに解決の糸口を探し続けたことが結果につながっています。弁護士の世界で求められるのは、精神力やタフさ。僕は下町出身で、世の中にいろんな人がいることを十分理解できる環境に育ってきたので、相手方がどんな人でも恐れることはないし、動揺もしません。そこは強みだと思います。
事務所名に思いを込めて
ーー仕事をするときに心がけていることは何ですか?
独立して開設した事務所に「セラヴィ」という名前をつけました。フランス語で「これが人生だ」という意味です。
「仕方ない」という諦めのニュアンスもありますが、「悪いことも含めてこれが私の人生だ」という肯定的な意味もあります。こんなふうに、依頼者が肯定的に人生を受け入れられるような仕事をしたいと思っています。
法律トラブルは、勝つか負けるかが重視されやすい世界です。でも、裁判で勝ったり、相手方をやり込めたりできたとしても、必ずしも依頼者に満足してもらえるとは限りません。依頼者の人生をいい方向に進ませるためには、どういう形での解決が最適なのかを常に意識しています。
ーー弁護士として活動してきた中で印象的だったエピソードを教えてください。
ある高齢の女性から依頼された事案です。内縁関係にあった男性が亡くなり、家の賃貸契約がその男性の名義だったために家の貸主から立ち退きを要求されました。「女性は内縁の妻であって相続人ではないから」という理屈でした。
しかし女性は、愛着のある家に住み続けることを希望していました。そこで、僕が間に入って貸主に事情と女性の思いを説明し、最終的に、貸主の理解を得られて居住が許可されました。裁判には持ち込まず、話し合いで相手に納得してもらうという一番理想的な解決ができました。
女性の人生を守れた、役に立てたという嬉しさを感じるとともに、「想像力と共感力があれば話し合いで解決できるんだ」と考えさせられた事件として印象に残っています。
ーー社会で現在起きている事件、案件で気になっているものはありますか?
特定の事件ではありませんが、最近、「人が生きづらい社会になっているのではないか」と気になっています。個性や多様性が認められて、誰も置き去りにされないような社会になることを願っています。
僕にできることはわずかかもしれませんが、少なくとも目の前の依頼者には、僕らに会えてよかった、自分の人生も決して悪くないと思ってもらえるように支援したいと思います。
自分らしい弁護士像で勝負する
ーー休日の過ごし方や趣味を教えてください。
買い物やライブ、映画に出かけることが多いです。16歳から演劇をやっていて、今は劇団には所属していないのですが、作品に出演させてもらうこともあります。在日コリアンの歴史を題材にしたものなど、社会派の作品に出ることが多いです。
趣味は買い物とカラオケです。カラオケは、古今東西、新旧を問わず歌います。安全地帯や高橋真梨子が好きで、バラードを歌うことが多いですね。
ーー今後の展望について教えてください。
2021年12月に事務所を開設しました。法律事務所らしくない雰囲気にしたいと考えて、相談室は全面窓で開放感を出し、インテリアもかわいらしいものを選んでいます。
個性を大事に、自分らしい弁護士像で勝負したいです。弁護士の既存のイメージ、既成概念を挑戦的に壊していきたいという気持ちで仕事をしています。自分の思う弁護士像で依頼者の人生を支えていきたい。その思いは、今後もぶらさずにやっていきます。
ーー法律トラブルを抱えて悩んでいる方へのメッセージをお願いします。
いいことも悪いことも含めて、それがあなたの人生ですし、それでいいんです。
いろいろなことが起きても、「これが私の人生だ」と胸を張って歩いていけるように、弁護士としてお手伝いをしたいと思っています。