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自宅を「劇的リフォーム」したら・・・建物の「固定資産税」も劇的にアップする?
ときには真っ赤な壁の家もいい

自宅を「劇的リフォーム」したら・・・建物の「固定資産税」も劇的にアップする?

建築リフォームのプロフェッショナルが、老朽化した住宅を機能的でオシャレな空間に生まれ変わらせるドキュメンタリー番組「劇的ビフォーアフター」が人気だ。

リフォームの前と後で、全く別の建物ではないかと思うほど「劇的」に変わるのがウリだ。8月10日の放送では、二世帯住宅に住む80歳台の女性のために、家庭用エレベーターを設置することで、2階に簡単に行けるようした住宅が紹介されていた。

番組を見ていて気になったのが、固定資産税のことだ。リフォームによって生まれ変わった住宅は、その資産価値も上がるはず。ということは、建物にかかる税金も高くなってしまうのか。「劇的」にリフォームされた住宅は、固定資産税も「劇的にアップ」するのだろうか。古尾谷裕昭税理士に聞いた。

●基本的に評価は変わらないが・・・

「固定資産税は、所得税や法人税のように、自分で税金を計算して納税する『申告納税方式』ではありません。毎年1月1日に固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している人が、その固定資産の価格をもとに算定された税額を、その固定資産がある市区町村に納める税金です。

土地と家屋は、原則として3年ごとに評価額が見直されます。家屋については、基本的に見直しの時期ごとに評価額が下がっていきます」

劇的なリフォームは、この評価額に影響するだろうか。

「結論から言うと、リフォームでは評価額は変わらず、固定資産税もそのままのケースがほとんどです」

そう聞くと、安心して家をリフォームできそうだ。でも、なぜなのだろうか。

「各自治体でリフォームの内容を個々に把握することは困難ですので、制度上そもそも、リフォームによる評価替えを想定していないからです。一般的なリフォームは、確認許可申請を市区町村へ届出等する義務もありません」

●増築の場合は、劇的に税金が上がることも

建物に手を加えて、税金が変わるケースはあるのだろうか?

「たとえば、床面積を増やす増築をした場合や、建築物の主要構造部に手を加えるような大規模リフォームの場合ですね。また、用途を住居から事務所、商業目的に変更した場合もそうです。こうした場合には、確認許可申請が必要になってきます。固定資産税が劇的に増加することもありますので、注意が必要です」

予想以上の固定資産税が・・・ということにならないよう、こうしたケースについては、心して準備しておきたい。

「ちなみに、耐震化やバリアフリー化、省エネ化のリフォームをした場合は、固定資産税の減額制度があります。いずれも一定の要件を満たしたうえで、市区町村に申請しなければなりませんが、税の負担が減るという大きなメリットがあります」

むしろ、税金が減るケースもあるということだ。リフォームを考えている人は、こうした制度の対象かどうか、調べてみるのがよさそうだ。

【取材協力税理士】

古尾谷 裕昭(ふるおや・ひろあき)税理士

会社設立実績4000社の起業支援に特化したベンチャーサポート税理士法人。「親切・丁寧・迅速に」をモットーとして分かりやすい会計サービスを提供する。マーケティングや経営全般について起業家・経営者のサポートも行う。経済誌や業界紙を中心にメディア掲載実績多数。

事務所名   :ベンチャーサポート税理士法人

事務所URL:http://www.venture-support.biz/

(税理士ドットコムトピックス)

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