吉田 榮士 弁護士
Aの依頼を受け、埼玉にも行くと、住宅地にある古い家屋であるがそれなりの屋敷であった。Aのした調査は、必要な調査や整理もあったが、ただ家にいて飲食生活をしていた節もあり、領収書などを見ても、遣いすぎの面もあった。Aとすれば、それなら、自分に代わってやればよいという思いも強く、双方の感情は対立していた。先ずは、この土地建物を売却することから始めた。その点は相続人間の利害は一致していた。売却は地元の不動産業者に依頼し、早期に売却ができた。Bは細かく、かつ、正論を述べ、領収書にクレームを出したり、墓地問題に介入したり、要求が多かった。一番Bが要求したことは、Aらの使い込み問題の決着であった。この使い込み問題は領収書があるものとないものがあり、また、使い込みと言えるかどうかも対立しており、細かい問題ではあるが、最大の問題でもあった。ただ、この問題で対立していただけでは解決にたどりつけない。遺産を不当に遣ったものを確定し、その額を戻させて、遺産を確定しなければならない。Aにも譲歩させ、Bにも計算してもらい、相互に遺産目録を作成した。そして、どの目録を成案にするかをBの所に何度も行き、ひざを交えて協議した。そのこともあって、一定の信頼を得ることができ、遺産分割協議書を完成させ、特に不動産は処分していたので、後は、金銭の分配だけになり、何とか解決することができた。預貯金や株券類の処分、換金等はすべてこちらで受け持った。Bらは金銭を受け取るだけであった。AとAの兄弟はそのことに不満を持っていたが、そこは説得し、最終的にはおさまる所におさまった。
難しい相手方を、逆に協力者に取り込むことでまとめていくの
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