鈴木 祥平 弁護士
Aさんの留置されている警察署に接見に行ったところ、Aさんの話では、車はYさんから借りたものであり、覚せい剤は自分のものではない、自分は車内に覚せい剤があるなんて全く知らなかったというものでした。Aさんの供述を受けて、アルバイトのXさんも警察に呼ばれて取り調べを受けていましたが、Xさんも自分のものではないということを主張していたようです。取り調べでかなりAさんは追及されたようです。当職は、絶対に「覚せい剤が車の中にあったということを知らなかった」という主張を通すように接見回数を重ねてAさんを励ましました。さらに、取り調べにおいては、警察としては「違法なものを知らずに持っているということは通常はありえない」という観点から取り調べをしてくるので、「知らなかったという説明(弁解供述)が合理的かどうか」という視点でAさんの主張を補強する必要があります。当職はAさんの弁解供述を聞いて、Aさんの弁解には合理性があると判断をしました。そこで、当職としては、取り調べの際に検察官には、次のことを話するようにAさんに伝えました。すなわち、①引っ越し作業には母親と父親と友人2人が協力しており、友人2人と先輩のところで車を借りた際にも2人の友人と車に乗っており、運転していたのはAさんであるから、Aさんが座席シートに覚せい剤を隠すのは極めて不合理な行動です。②また、母親と父親を迎えにいく際に母親と父親は後部座席に座っているということから、「仮にそこに覚せい剤があることを知っているのに、母親と父親を座らせるだろうか」という疑問がある。③また、Aさんは警察が「車内を見せてくれ」という要請があったときに、何の抵抗を示すこともなく「どうぞ」と車内を見せています。覚せい剤が車内にあるのに車内を快く見せる人がいるでしょうか?④さらに、Aさんの携帯電話も差し押さえられましたが、薬物を購入する売人のような人の連絡先なども入っておらず、Aさんが覚せい剤を手に入れたというような証拠は一切ありませんでした。そうしたところ、勾留満期を迎えて、Aさんは処分保留のまま釈放されましたが、結果として,嫌疑不十分で釈放となりました。
【覚せい剤所持・不起訴】覚せい剤所持の嫌疑をかけられたが結果として不起訴になった事例の
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