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減り続ける法科大学院、ピーク時は「74校」→半数以下に 全盛期を振り返る

減り続ける法科大学院、ピーク時は「74校」→半数以下に 全盛期を振り返る

法科大学院制度が2004年4月に始まってから、17年が経過した。 創設当初は競争倍率が高く、人気を博していた法科大学院。しかし、廃止や学生の募集停止が続き、2020年度に入学者選抜をおこなった学校数は、ピーク時の半数以下となっている。現在の司法試験受験生の中には、法科大学院の「全盛期」を知らない人たちもいる。 文部科学省がホームページで公表しているデータなどをもとに、法科大学院制度の全盛期から2020年度までを、2回に分けて振り返る。1回目は法科大学院数、志願者数や入学者数の推移を紹介する。

●ピーク時は「74校」→「39校」が廃止、募集停止に



制度が創設された当初の2004年に入学者選抜をおこなった法科大学院は68校。翌年の2005年からは74校に増え、その状態が6年続いた。


(北海学園大学法科大学院も学生の募集を停止した(mataro / PIXTA))

ところが、2010年度の入学試験で合格者がいなかったことを理由に、姫路獨協大学法科大学院が2011年度からの学生募集を停止。その後も廃止や学生の募集停止が続いた。2019年には、甲南大学が2020年度以降の法科大学院の学生募集を停止すると発表し、2020年度に入学者選抜をおこなったのはピーク時の半数以下となる35校となった。

創設から20年経たないうちに、39校の法科大学院がなくなったことになる。

●全盛期の志願者数は「4万人台」



2015年の法曹養成制度改革推進会議の決定「法曹養成制度改革の更なる推進について」の中では、累積合格率について「司法試験に概ね7割以上合格できるよう充実した教育を目指す とされていた。新たな制度への期待が高まり、開設当初(2004年度)の入学志願者数は7万2800人(志願倍率は13倍)にも上った。翌年の2005年度には4万1756人に落ち着いたが、2007年度までは4万人台を維持していた。

ところが、2008年度の志願者数は4万人を割り、2009年度には3万人を割った。その後も減少傾向は続き、2016年度からはついに1万人を下回り、2018年度には過去最低となる8058人に落ち込んだ。翌年の2019年度には、9117人に増加したものの、2020年度は再び減少し、8161人となった。



入学者数をみても、ピーク時(2004年度)には5767人(入学定員充足率103.2%)だったが、2020年度は1711人(入学定員充足率76.6%)となっており、合格者だけでなく、充足率も低下している。

法科大学院の志願者数が低迷した要因は諸説あるが、1つに、当初は「概ね7割」を掲げていた司法試験の累積合格率(各法科大学院を修了した司法試験受験生が、最終的に司法試験に合格する割合)が低いことも指摘される。

特に、多様な人材の確保を確保するために期待されていた未修者コースは厳しい状況だ。中央教育審議会の資料(2020年司法試験までのデータを使用)によると、既修者コース修了者は修了後2年目で約7割が合格しているのに対し、未修者コース修了者の合格率は2年目で4割に満たず、5年目でも5割に満たないとされる。

法科大学院別にみても、累積合格率が7〜8割に達している学校は今も少ない。2020年度に入学者選抜をおこなった法科大学院35校のうち、累積合格率(2019年までの司法試験の状況に基づき算出)が7割をこえるのは「一橋大学(81.9%)」、「京都大学(81.1%)」、「東京大学(79.9%)」、「慶應義塾大学(77.8%)」、「神戸大学(71.2%)」の5校のみとなっている。

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