法律事務所名を大分析 人名か地名?長さは? 言語学やGoogleにとって望ましい名とは?【CHAPTER01】

法律事務所名を大分析 人名か地名?長さは? 言語学やGoogleにとって望ましい名とは?【CHAPTER01】

法律事務所名は、顧客とのはじめての接点になりがちだ。 独立する時に、どんな名前にするか考えることや、 今後考えようとしているケースも少なくないのではないだろうか。 どのような事務所名が多いのか、同名の法律事務所はないのかなどを、弊誌独自の調査より紹介する。 言語学者とGoogleなどの検索エンジンの専門家が考える望ましい法律事務所名についてのインタビューも掲載。 調査・取材・文/池田宏之 調査協力/魚住あずさ (弁護士ドットコムタイムズ<旧・月刊弁護士ドットコム>Vol.27<2017年11月発行>より)

CHAPTER01 法律事務所名は人名由来が半数以上 9文字が最多

全国1万4000件超の法律事務所の名前について、事務所名の名前付けや文字数などについて、弊誌編集部が独自に分析した。地名や人名が含まれる割合や使い方に加え、文字数の傾向や取扱分野など特定の文字が含まれる数まで、幅広く結果を紹介する(データは2017年8月時点)。

法律事務所名約3分の2に人名 地名は約2割程度


法律事務所名の命名について、「人名や地名が含まれているか」の観点から分類した。

人名が含まれているものが最多となり、全体の約3分の2を占めた。人名を法律事務所名に冠するのは一般的であるといえる。地名と比較すると、移転や業務拡大をする際に、事務所名による混乱を招かない点もメリットといえる。

地名が含まれているのは約2割。地名の場合は移転等のリスクはあるものの、法律事務所を探す人にとって、相談しやすさを感じてもらえるのがメリットといえる。

人名と地名、両方が含まれているのは、1%に満たなかった。地名も人名も含まれないものは約15%。

1人の氏名由来が9割弱 市区町村名は3割弱



人名を含む事務所名において人名がどのように使われているかを調べると、最多は「1人の名字」由来のものが全体の半数以上を占めた。また「1人の氏名由来」のものが約3分の1を占めた。名前を使う場合、1人の名前を使う場合が9割近い結果。2人の名字をつけているのは、8.7%で1割に満たない状況だった。

地名の使い方を調べると、最多は「市区町村以下」由来のものが最多で4割を超えた。大字由来だけのものでなく、公園、駅、近くの通りなど事務所のゆかりのある地名からとられている。東京などの大都市圏の場合は、周囲にある法律事務所とターゲットの違いを明確にするためにつけられていることもありそうだ。

地名で、次に多いのは「市区町村」。市区町村名は、相談者がインターネットで法律事務所を探す際のキーワードになりやすい。「都道府県や(都道府県内の)域内地区」は11.2%。地域名を連想させるような名付けも2.6%程度となった。

法律事務所の文字数は平均9文字 漢字のみの事務所名が8割弱




法律事務所名の文字数を見ると、最多は、中央値と同じで9文字となり、全体の3割弱を占めている。全体の平均も9.01文字となった。最も多い「法律事務所」を固定で考えると、1人の氏名4文字をつけたりしているほか、名字をひらがなにしているケースが多い。次に多いのは、7文字で28.9%。2文字の名字や地名をつけている場合が多いのが影響している。

一般的に新聞の見出しをはじめとして13文字程度が、一瞬で認識できる最適な文字数とされる。16文字を超えるのは、わずか2%強に満たない。長くなりがちなのは、外国人の名前を使っている場合などが多い。長い事務所の場合、名称を覚えづらかったり、検索がしづらいという問題が発生するリスクがある。

ひらがなやカタカナの含有率をみると、ひらがなを含むのは、全体の13.5%程度。カタカナを含むのは、9.0%、アルファベットは1.5%程度となっている。

漢字は一般的に固いイメージを与えるとされ、政治家などは選挙の際に、自身の氏名の中で、難読漢字などを平仮名にしてポスターを作成するのが一般的となっている。ただ、事務所名では、漢字のみの事務所は76.2%を占めていて、現時点では多数派となっている。

「総合」は「綜合」の約3倍 取扱分野入れるのは一般的でない


取扱分野を事務所名につけることは、一定の条件下で認められているが、最多の「会計」でも168にとどまった。「特許」で133となっている。事務所名に分野を含めた場合、冠した分野での強みを発揮できるが、それ以外の分野の依頼者にとっては、微妙な印象を与えかねない。全事務所が1万を超えることを考えると一般的とはいえなそうだ。

「総合」と「綜合」を比較すると、「総合」が3倍近くなった。「綜」は「総」の旧字体で、「歴史があって信頼できそう」「古い事務所で敷居が高そう」と、人によって受ける印象は違う可能性が高い。

「共同」「合同」「協同」は、日本語上、厳密な意味の違いは存在するものの、依頼者が感じる印象に大きな差はないと考えられる。いずれも100に満たない事務所にしか含まれていなかった。

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